薫る花は凛と咲く 4 講談社コミックス
著:三香見サカ
出版社:講談社
底辺校の千鳥の生徒である自分たちを毛嫌いするお嬢様学校、桔梗。
そこに通う薫子(かおるこ)達との関係を友人の翔平(しょうへい)、朔(さく)、絢斗(あやと)に改めて話し、紹介した凛太郎(りんたろう)。
初対面の時のわだかまりも解けた彼らは、偶然、凛太郎の家に集まり一緒に遊ぶ事となった。
仲間に囲まれ楽しそうに笑う凛太郎。
かつて、友人を作る事を諦めていた息子の姿を見て、凛太郎の母、杏子(きょうこ)は一人涙を流すのだった。
登場人物
凛太郎の父
凛太郎の実家のケーキ屋 Patisserie Plain(パティスリー プレーン)のパティシエ
黒髪でケーキ作りが大好きな男性。
ケーキが好きすぎて、いつも厨房に籠もり新しいメニューを考えている。
その為、常に寝不足でクマがひどい。
薫子の誕生日を手作りケーキで祝いたいと考えた凛太郎に、ケーキ作りを手ほどきするが……。
あらすじ
凛太郎の家に集まった友人達。
翔平、朔、絢斗。そして薫子と昴。
凛太郎は彼らに金髪とピアスの事を問われ、髪を染め始めた理由を語った。
きっかけは友人の居なかった小学生の頃、親に連れられ訪れたケーキ屋で見かけた一人のパティシエだった。
楽しそうにケーキを作るその人に、俺もいつかあんな風に笑って過ごせたらと憧れを抱いた。
自然とそのパティシエの金髪と耳で光るピアスにも憧れた。
いつか自分も金髪にしてピアスをつけてみたい。
店からの帰りそれを家族に言うと、彼らは笑みを浮かべ肯定してくれた。
その見た目で怖がられ、実家がケーキ屋である事も似合わないと否定されてきた凛太郎にとって、自分の思いが受け入れられる事はこの上なく嬉しい事だった。
そして凛太郎は中学に上がるのに合わせて、髪を染めピアスをつけた。
そんな凛太郎に先んじて、杏子は髪を金髪にしてピアスを開けた。
凛太郎は店の事を思い、迷惑がかかるのではと考えてしまうような子だ。
杏子は凛太郎がやりたい事を諦めないように、自分が率先する事で彼の背中を押したのだった。
人を気遣い、自分の事は押し込んでしまう凛太郎。
そんな優しい彼を誰かが見つけてくれれば……。
ずっとそう考えていた杏子の前には、その日、凛太郎を囲んで笑いあう友達の姿があった。
感想
今回は気を使いすぎる凛太郎をさりげなく見守り続けた杏子のエピソードから始まり、期末試験と勉強会、夏休みとボウリングと付き合うという事、夏休みにやりたい事、薫子の誕生日とケーキ作りなどが描かれました。
今回はその中でも冒頭の凛太郎の母、杏子のエピソードが印象に残りました。
あらすじで書いたように、凛太郎はその見た目から怖がられる事が多く、幼くして友人を作る事を諦めていました。
杏子はそんな凛太郎に不安を感じつつ見守り続けました。
凛太郎が変われたのは自分を認めてくれる家族以外の存在、翔平達や薫子の登場が大きいのでしょうが、彼らが凛太郎の事を好きになったのは、彼を否定することなく笑顔を見せ続けた杏子たちの力なんじゃないかなと感じました。
まとめ
今回の終盤、昴から薫子の誕生日を聞いた凛太郎は、それを祝うため父親にケーキ作りを習います。
かなりスパルタな特訓を積んだ様子の凛太郎。
彼がどんなケーキを作ったのか、受け取った薫子がどんな顔をするのか、次巻も楽しみです。
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