ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ 2
角川コミック・エース
著:瀬野反人
出版社:KADOKAWA
教授の足跡を辿り旅を続けるハカバ。
海辺を通り、死の街と呼ばれるかつて人間が暮らしていた廃墟の街までたどり着いた。
新たに同行者を得て、ハカバは北へ向かう。
登場人物
モウ
ミノタウロス
バッファローに似た牛の獣人。
主人公ハカバと同じく獣人の言語学者。
登場した時はワーウルフ語は話せなかったが、作中、ハカバやススキとのやり取りを通じて片言ながらもワーウルフ語を話す様になる。
たまにドヤる。
二巻で登場したモンスター達
ミノタウロス
牛の特徴を有した獣人
大きな体を持った二足歩行の牛といった容姿の獣人。
手の指は四本に分かれており、先には蹄がある。
ドラコニアン?
竜の特徴を有した獣人
トカゲの獣人であるリザードマンよりスリムで、頭に角を持っている。
グリフォン
ライオンの体に猛禽の頭と足を持つモンスター
こちらは一般的なグリフォンの容姿をしている。
普通に喋れるし親切。
なんか可愛い。
作中では飛ぶ事は無く、地面を歩いて移動していた。
ラミア
蛇の特徴を有した獣人
蛇の体に二本の腕を持つ姿の獣人。
会話は言葉では無く、板を叩き振動を拾って行っているようだ。
ワーキャット
猫の特徴を有した獣人
二足歩行の猫。
あんまり工作は得意ではないようだ。
おまぬけな所も猫に似ている。
あらすじ
死の街に辿り着いたハカバは、一人のミノタウロスと出会う。
何とか彼との会話を試みるが、言語パターンの違いに全く会話が成立しない。
カシュ―とケクーは何とか彼と会話を成立させていたが、突然言い争いを始め、それも唐突に終わり双方無関心になる。
その後、ハカバが様子を見ていると、彼らはハーピー方式の体を使った方法でススキも加わり会話を行い、四人とも疲れ、大の字に倒れたミノタウロスの体で暖をとっていた。
ケンカをしていた筈なのに、それを引きずるでもなく固まる四人。
ハカバはモンスターと人間の感覚の違いに戸惑いながら、その様子を興味深く観察した。
死の街を旅立ったハカバ達。
同じく北に行くカシュ―とケクーのリザードマンに加え、件のミノタウロス、モウも加え一行の旅は続く。
感想
今回は、ミノタウロスのモウの他、ドラコニアン(だと思う)やグリフォン、ラミア、ワーキャット等が登場しました。
ぼんやりとですが感じた事は、この物語の中の登場キャラクター達、主にモンスター達の関係性というのは、程よい無関心が根底に有るように思えました。
生態、文化、生活圏等、違いが大きすぎ人の様に自分に置き換える、共感するという事が難しく、またそれを押し付ければ無用の諍いを生むという事が大きいのではないでしょうか。
また作中の川を渡る為、橋を架けようとするシーンでも、それは表現されている様に感じました。
それぞれ個人個人が独立し、自身の考えを実行する。
まとめる者が現れる事もありますが、違うと思えばそこから抜けて誰もそれを引き留めないし、咎めもしない。
かと言って感情的に決別している訳でも無い。
人間という基本的に似たような価値観を共有している感覚で読むととても不思議ですが、何故か心地良く感じます。
まとめ
過去、地球においてもあったであろう、独自の文化を持つ者達の邂逅。
読んでいるとそんな物を感じます。
繰り返して読むたび理解が深まり、読む程に面白さが増す本だと思います。
この作品は、ヤングエースUPにて無料で閲覧いただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。