スキップとローファー 1 アフタヌーンKC
著：高松美咲
出版社：講談社
石川県鈴市凧島町（すずし いかしまちょう：架空の町）
過疎化の進む海沿いのその町に暮らす岩倉美津未（いわくら みつみ）はT大から官僚を経て地元の市長になり、過疎化を解決、地元の財政を改善する夢を実現する為、東京の高校に進学します。
素朴で天然で真っすぐな美津未に、周囲の人々は徐々に感化されていきます。
登場人物
岩倉美津未
高校一年生女子
三白眼でオカッパ頭の女の子。
東京のつばめ西高校に石川県の海沿いの町から通う為、東京に越して来た。
目標はT大法学部主席卒業→総務省キャリア、過疎化対策→定年後、地元で市長、財政改善に取り組むといった物。
誇大妄想では無く彼女は本気でそれを目指し、その為の努力も欠かさず行っている。
素朴で天然で努力家で人の心を思いやる性格。
そして自信家。
自分の道を明確に定めてはいるが何処か抜けている為、周囲は心配しつつ温かく見守っている。
ふみ
美津未の幼馴染
おっとりした性格の癒し系女子。
抜けた所のある美津未が東京でやって行けるか心配している。
ナオ
美津未の叔父
美津未が東京で暮らす際、保護者として一緒に住む事になった。
性別的には男性だが、容姿仕草は女性な人。
彼女も美津未の天然さを心配する人の一人。
志摩聡介（しま そうすけ）
美津未のクラスメイト
過去に子役として活躍した事もある爽やかイケメン。
入学式当日、東京の電車の複雑さと人の多さに参っていた美津未に助けを求められる。
彼女に対し当初、親鳥が雛を慈しむ感情を抱き、その後、その一生懸命さに好感を覚える。
江頭ミカ（えがしら みか）
美津未のクラスメイト
イケメンの志摩と美津未が友人関係になった事で、彼女と親しくなろうとする。
村重結月（むらしげ ゆづき）
美津未のクラスメイト
帰国子女でクールで美人。
美津未の素直さにやられてしまった。
兼近（かねちか）
演劇部所属の二年生
首席で入学し、入学式でハプニングを起こした美津未に興味を持ち、勧誘に訪れる。
その際、過去に子役として活躍していた志摩に会い、演劇部への加入を強く求める。
ただ、志摩にその気は無く、手ひどく振られてしまう。
久留米誠（くるめ まこと）
美津未のクラスメイト
眼鏡でおさげで小説好き。
いわゆる陽キャな人々と合わずクラスではあぶれてしまった。
自身の性格を理解しており、周囲の人間に壁を作っている。
美津未のペースに巻き込まれるうち、なんだかどうでも良くなってしまった人。
あらすじ
石川県から東京の高校に進学した岩倉美津未は入学式当日、東京の電車の煩雑さと人の多さに酔い、学校までの道を迷ってしまう。
駅で壁に向かい項垂れていた美津未を心配し声を掛けた志摩の助けと、裸足で全力疾走した事で何とか入学式には間に合った。
その後、首席で合格していた美津未は新入生代表として壇上に上がる。
読むはずだった宣誓書を、遅刻のゴタゴタで鞄に忘れてしまった美津未だったが、慌てる事無く暗記していた内容を淀みなく読み上げ事無きを得た。
それが余りに完璧で志摩を含めた生徒は、美津未に関心を寄せる。
しかし、無事言い終えた事での緊張の緩和、遅刻による全力疾走、さらに睡眠不足といった物が一気に押し寄せ、壇上から降りた美津未は入学式の為に正装していた担任教師花園さくらの胸にリバースしてしまった。
それを見た志摩は思わず吹き出し、天然破天荒な美津未のファンになってしまっていた。
感想
高校生、新たな環境、新たな人々との出会いには誰しも身構える事でしょう。
そういった壁を持った人達にも、美津未は自身の思いに従い自然体で臨みます。
彼女の行動はやがて周囲の棘を溶かし、笑顔を広げていきます。
自分を守る為、斜に構え余裕を持った態度がカッコいいと思ってしまいがちですが、どこまでも真っすぐな美津未を見ているとそれらの虚勢が馬鹿馬鹿しい物に思えてきます。
彼女の様に素直に生きれれば。
そう強く思いました。
まとめ
首席で入学した田舎育ちの女の子。
ともすれば虐めの対象になってしまうかもしれない美津未が、そうならないのはその次元を突き抜けているからの様に思います。
この作品はコミックDYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
