グッバイ、ノーベル! 2 ビッグコミック
著:竹充ヒロ
出版社:小学館
出せなかったラブレター。
すずは中学館主催の新人賞の審査員に、そのラブレターを渡したかった相手、東頭未来の名前を見つけます。
ナヲキとすず(彼女は副賞のお菓子一年分を目当てに)は彼女に会う為、ラブレターを元に協力して作品を書き上げます。
登場人物
剛城渡(ごうじょう わたる)
小説家
芥山賞受賞作家。
中学館主催の小説賞「さらら新人青春小説大賞」審査員。
話題性を考えすずの作品では無く、人気アイドルの書いた作品を推す。
花椿ミサキ(はなつばき みさき)
漫画家
すずの愛読書「花の君」の作者。
龍平すず(ナヲキとすずのペンネーム)のデビュー作「還らない手紙」のコミカライズを担当する。
爺ちゃん
すずの祖父
無くなった妻の趣味にあわせ派手な格好をしている。
住まいは九州は福岡。
ナヲキの母
小説家、龍平ナヲキに関する事は、かなりな塩対応。
ナヲキを女手一つで育てた。
彼が小説家として成功するにつれ、息子である直樹とのギャップを感じる。
ナヲキの反抗期によるすれ違いも加味され、彼とどう接していいか分からなくなっていた。
あらすじ
ナヲキとすずの合作「還らない手紙」は新人賞候補にノミネートされていた。
しかし、その授賞式当日になっても審査員の意見は割れていた。
審査員の一人である早乙女桜はペンネーム龍平すずの「還らない手紙」を推すが、同じく審査員である剛城渡は二年連続女子高生作家が受賞する事で話題性が薄れると。大賞には人気アイドルが書いた作品を押した。
話題性を重視する剛城を桜は作品は100点だが、人間性は0点だと酷評する。
さらに桜は部屋にいた別の審査員にも、作品について尋ねる。
審査員達はベテラン作家である剛城に気を使っているようだったが、「還らない手紙」の出来は認めており、慌てつつ「読めばわかるとしか……」と返す。
それを聞いて気分を害したのか、剛城は審査員が集まっていた控室を後にする。
去り際、編集者の木村に自分の票はアイドル作家に入れるよう彼は依頼。
そして、最後に桜にこう告げる。
「『読めばわかる』作品は大抵読まれずに消えるんだよ」
感想
作中、嫌われ役を引き受けた剛城。
彼は過去にデビュー作が売れず悔しい思いをした経験があります。
どんなに面白い作品であっても話題にならなければ、読まれずに世の中から消えてしまう。
多くの作品に触れているとそれを顕著に感じます。
どうしてこの作品が打ち切りなんだろう。
自分の感覚がおかしくて、みんなは面白いと思わないのだろうかとか考えた事もありますが、一番大きいのはそもそも知らないという事ではないでしょうか。
存在を知り得なければ手に取る事も出来ない。
手に取らなければ売れる事も無く、書店から消え作品は打ち切られ、完結する事無く終わってしまいます。
大ブレイクした鬼滅の刃も、アニメ放送前はそれ程売れなかったようです。
これは勝手なお願いなのですが、漫画・小説に限らず触れた作品が面白いと思ったのなら何でもいいので「面白かったよ」と発信して欲しいです。
その事で別の誰かが作品を手にするかもしれません。
誰かが手に取れば、作品が消えることなく続くかもしれない。
そうなれば、打ち切られる事無く作家さんが考えたラストまで読む事が出来るかもしれません。
そうなったら嬉しいです。(主に私が)
まとめ
第二巻では二人が書いた小説が漫画家の花椿の心に火を入れました。
その後のデビューに不安を覚えたすずとそれを励ますナヲキのくだり、すず風に言うなら超エモかったです。
この作品は、ビッグコミックBROS.NETで第一話が無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。