風都探偵 8 ビックコミックス
脚本:三条陸
作画:佐藤まさき
原作:石ノ森章太郎
監修:塚田英明
クリーチャーデザイン:寺田克也
出版社:小学館
仮面ライダーWの正統続編。
テレビシリーズのその後を描く作品です。
登場人物
弁財天源十郎(べんざいてん げんじゅうろう)
プロのカメラマン
廃棄場からの夕陽に惚れ込み、側に自宅を構えた。
廃棄場に関係する趣味を持つグループbbb(スリービ:ベースサイド・バッド・ボーイズ、しおれが参入した事で正式名称はベースサイド・バッド・ボーイズ&ガールズに変更している)の一人
ビリー佛田(びりーぶつだ)
旧車マニア
廃棄場に捨てられたスクラップから部品を探し、車を一台復元しようとしている。
bbbのメンバー。
馬場凡太(ばば ぼんた)
風都サイダーコレクター
風都サイダーの王冠コレクター。
王冠の裏には世界の名所が描かれており、彼は546種類の内545種類を既に集めている。
bbbのメンバー。
暮雨川しおれ(ぼうがわ しおれ)
アリ博士
bbbの紅一点。
港に寄港する船が運んで来た外来種のアリを採取する為、廃棄場に入っている。
あらすじ
ときめが感じた空間が動く気配、それを調べる為、港に来ていた翔太郎達。
そんな時、翔太郎に所長の亜樹子から連絡が入る。
彼女が言うには依頼は過去最高に意味不明らしい。
放っておくわけにもいかないと事務所に戻った翔太郎に、依頼人であるカメラマンの弁財天源十郎が言ったのは「夕日泥棒」を捕まえて欲しいという物だった。
詳しく話を聞けば、自宅付近から見る夕陽が変わってしまったらしい。
弁財天は自身が撮影した、廃棄場の向こうに沈む夕日の写真を見せながらそう説明する。
弁財天は警察にも役所にも相手にされず、藁にも縋る思いで鳴海探偵事務所を訪ねて来たようだ。
誰にも聞いてもらえないような悩みでも、風都に関係する事なら解決してもらえる。
弁財天が語る事務所の評判は翔太郎の風都愛に火をつけた。
早速、依頼を受けようとする彼をフィリップが冷静に止める。
夕陽は気象現象、写真映えの悪い日が少し続いても不思議ではない。
そう言ったフィリップの言葉を弁財天は否定した。
そして疑うなら実際に見ろとフィリップを指差した。
街と廃棄場を隔てる壁の上、廃棄物の向こうに見える夕陽は紫と茶色にその色を歪めていた。
感想
今回は廃棄物の先に見える夕陽の色が起点となり、事件は展開していきます。
舞台は廃棄物の集積所。
大量の車、家電、果てはジュースの瓶や蓋に至るまで、燃やす事の出来ない様々な物が集まった場所です。
昭和の高度経済成長期は大量生産大量消費の時代でした。
作中の風景は作れば売れる、そんな時代の名残を感じさせる物でした。
物も人も使えなくなれば捨てられる社会。
そこには修理して使う、出来る事を見つけ出すといった努力を最初から放棄している様に感じます。
効率を最重要と考え、余り役に立っていないから切り捨てる。
それは裏を返せば、いつ切り捨てられる側に回るか分からないという事では無いでしょうか。
人や物を大切に扱わない人は、自身も大切に扱われる事は無い。
今回、読んでいて不意にそんな事を思いました。
まとめ
風都探偵、帯に累計160万部と書かれていました。
これだけ売れてるならアニメ化とか無いですかね……。
アニメなら実写で難しいドーパントとかも再現出来そうですし。
楽しいと思うんだけどなぁ。
作画担当の佐藤まさきさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。