シメジ シミュレーション 1 MFCキューンシリーズ
著:つくみず
出版社:KADOKAWA
少しヘンテコな世界での頭にしめじの生えた少女「しじま」と、頭に目玉焼きを乗せた少女「まじめ」の高校生活を描いた作品です。
登場人物
月島しじま
頭に二本しめじの生えた女の子
中学一年生からの約二年間、押し入れに引きこもっていた。
引きこもりを止め高校に通い始める。
長期の引きこもりの間に頭にしめじが生えていた。
めんどくさがりでさかなが好き。
山下まじめ
頭に目玉焼きが乗った少女
眼鏡を掛けた寂しがり屋の女の子。
友達を求め一人だったしじまに声を掛ける。
眼鏡だが成績がいい訳では無い。
お姉ちゃん
しじまの姉
大学生だったようだが、現在は大学を辞め何かの研究に没頭している。
数式を見ただけで解ける天才肌の人物。
しじまが引きこもっていたにも関わらず高校に入れたのは、彼女に勉強を教わっていたからのようだ。
もがわ
美術教師/穴掘り部顧問
天然系の女性教師。
部員の来ない穴掘り部で穴を掘り続けた事で、この世の全ては無意味だという結論に辿り着いた。
お酒が大好き。
高橋
しじまのクラス一年D組の担任
専門教科は世界史。
あらすじ
中学一年の時、学校が嫌になり約二年、押し入れに引きこもっていたしじま。
彼女は二年が経ちそろそろ出ようと、久しぶりに自分の顔を鏡で見た。
すると頭からしめじが二本生えていた。
高校を受験し合格。
登校したしじまは静かに目立たず過ごそうと決める。
老人と海を読み、カジキが食べられた事に涙していたしじまに、頭に目玉焼きを乗せたクラスの女子が話しかけて来た。
無視をしようと決めたしじまにその眼鏡の女子は根気強く絡む。
結局、放課後まで付きまとわれ、面倒になったしじまは彼女の告白(話の流れで、友達を作るより恋人を作る方が簡単という事になった)を受け入れ恋人になった。
ただ、繋ごうとした手を払いのけるような冷たい関係ではあったが……。
家に帰ったしじまは、あの目玉焼き女子の事をうざいと思いながらも、久々に触れた人の肌のぬくもりでその日は熟睡できた。
感想
めんどくさがり屋のしじまと、寂しがり屋のまじめの二人による少し変な世界での高校生活。
普通に高校はあるしコンビニやファミレスもあるのですが、街の風景の中に人影は無く、しじまが住んでいる団地も閑散としています。
雰囲気としては横浜買い出し紀行の様な黄昏の時代を感じさせます。
また、しじまの頭のキノコやまじめの目玉焼きも特に注目される訳でも無く、何か世界規模での変化が起こったのではと想像させます。
まぁ、そんな考察抜きに不思議な世界をのんびり楽しめばいいかなと個人的には思います。
まとめ
少女終末旅行の時にも感じたシュールで不思議な世界。
この作品にも同じ物を感じます。
人がまばらで寂しいのだけれど、落ち着く様なホッとするような。
一人ぼっちの夕暮れを思い出す感じの作品です。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読み頂けます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。