着たい服がある 4 モーニングKC
作:常喜寝太郎
出版社:講談社
バイトを辞めショップで働き始めた小澤。
忘れ物を渡すという事を口実に、マミはニューヨークへ買い付けに行く小澤と空港で会う事が出来ました。
登場人物
ヤン
中国のロリータ服ブランド、スフレソングの社長
自身もロリータ服を着る女性社長
日本に留学中、ロリータに出会う。
本堂
マミがバスケ指導のボランティアで訪れた高校の男子生徒
バスケ部部員。
自分に見切りをつけ、クレーマー体質になっている。
あらすじ
空港で小澤に悩んでいた事を打ち明け、やっと今の自分に満足できたと話したマミ。
そんなマミに小澤も勇気づけられたと返し、彼はニューヨークへ旅立った。
久しぶりに小澤と話せた事で気持ちも暖かくなったマミだったが、その帰りの電車内で老人ホームでのロリータを着て行った出し物がネットに拡散されている事を知る。
好意的な意見もある中、マミにたいして批判するコメントも投稿されていた。
家族や友人は好意的に受け取ってくれ、気にしない様にと気遣ってくれたがそれでもやはり気にしてしまう。
帰り道の公園でブランコを漕ぐ。
頭の中に見知らぬ人々の書いた言葉が浮かぶ。
私のこと何も知らないくせに
何も知らないくせに
遠くから勝手に…
私をどんな人間か決めつけないでよ!
何も知らないくせに……!!
強くブランコを漕ぎながら、マミは溢れる悔しさを飲み込んだ。
感想
今回は冒頭のネットに上げられた動画のお話から、高校でのバスケ指導、それに並行した中国ブランドのロリータ服のモデル撮影が描かれました。
作中登場するバスケ部男子、本堂の気持ちは良く分かります。
努力しても出来ない事が続くと、それを出来ている人と自分を比べやらない方がいいと思ってしまう。
頑張る事が無意味に思え、どうせ駄目ならと必死でやる事がカッコ悪いと感じてしまう。
更には頑張っている事を嘲笑する人も出て来て……。
確かに人には向き不向きがあり、努力しても叶わない事がある事も事実です。
ですが頑張ったけど駄目だった経験はずっと心に残ります。
それは頑張らなくて駄目だった経験よりもずっと気持ちいい物だと思います。
今回は読んでいてjojoの第三部で承太郎がディオに言った「あと味のよくねぇもの」という言葉を思い出しました。
彼が言ったのは多分、生き方における後悔やしこりの様な物だと思います。
そういう物が心に降り積もると、段々生きるのが辛く苦しくなる気がします。
逆を言えば失敗しても後悔が無ければ、生きるのは楽だと感じます。
(失敗を思い出すとジタバタと暴れたくはなりますけど……)
まとめ
今回は終盤、KERAの近藤がマミを評した言葉「あなたは毎日自分のオールで舟を漕ぎ続けている」がとても印象に残りました。
周囲に迎合していたマミが自分の道を見つけ、顔を上げて歩いていると感じられるエピソードでした。
こちらの作品はモーニング公式サイトで第一話が無料で閲覧いただけます。(20年3月現在)
作者の常喜寝太郎さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。