殺し屋やめたい! 3 モーニングKC
作:外木寸
出版社:講談社
偽装が完璧すぎて、暗殺組織自身が身内である事に気付いていない暗殺者ローズ。
その真面目さと目立たなさで教会のトップ、イルデブランド大司教から暗殺組織の機密情報が入ったロザリオを託された白船(しらふね)神父。
二人は神父の娘、紅華(べにか)の事で接触。
その事が組織と教会の疑念を深め、二人は組織と教会から襲撃を受ける。
しかしローズは組織と教会の精鋭たちをドラッグストアで購入し製作した手製の武器で撃退。
組織は正攻法を諦め、工作員、緋梅(ひばい)をローズの恋人、紅華の元に送り込み……。
登場人物
サンギナリア
教会の工作員
銀髪ロングの女性。
大司教が白船神父に渡した機密データの入ったロザリオの回収のため、組織の工作員、緋梅(ひばい)と同様、神父の娘である紅華(べにか)に近づく。
あらすじ
紅華がバイト先で知り合ったという黒髪の女、緋梅。
職業柄、彼女のことが信用出来ないローズは彼女に話しかけ、職業を尋ねる。
工作員であればガワを嘘で塗り固めているはず。
「無職です」
ローズの質問にそう答え、現在は株取引や仮想通貨でしのいでいると話し、逆にローズに就職の方法を尋ねた。
その後も緋梅はアラのない答えを返し、ローズの情報が彼女に聞きだされる事となった。
そこでローズは品を変え、街中の雑踏に紛れて銃のスライド音をくちから発した。
グロッグ、ベレッタ、USP、CZ75、P226。
訓練された人間なら反応するだろうハンドガンの音に、緋梅は全く反応しなかった。
それでも疑いを捨てきれないローズは、緋梅の足元にコインを投げ入れる。
足を取られた緋梅は仰向けに転倒。
彼女の後頭部の先にはコンクリート製の車止めがあった。
工作員であれば受け身を取るはず。
しかし緋梅は何の反応も無く、頭は車止めへと向かっていく。
車止めに頭が当たる直前、ローズは緋梅を抱き留め、最悪の事態は回避された。
色々試し緋梅は白だと感じるローズだったが、それでも疑いを捨てきれない。
疑念を抱え紅華と緋梅とローズは街を歩く。
そんな三人の前に銀髪の女が現れ……。
感想
今回は組織側の工作員、緋梅へのローズの確認から始まり、教会側の工作員、サンギナリアの登場、緋梅とサンギナリアがラブラブだと勘違いした紅華による、より戻し作戦、平行線を辿る組織のボスとイルデブランド大司教の対話、教会による武器密造、緋梅の案内で紅華が知った難民地区の実情等が描かれました。
今回はその中でも難民地区の実情が印象に残りました。
作中語られた事によれば、当初、難民が暮らす地域には法の存在及び、犯罪者を取り締まる物は無く、混沌とした自由に支配されていました。
そこに組織(バビロン)がかなり厳しくはありますが、ルールを導入し善良な人々が生活を送れる環境を作ったようでした。
ただ、犯罪者を子供たちが処刑しその肉体を燃料とする等、普通に暮らしてきた紅華にはかなりショックが大きかったようです。
難民の真実、そして過激派の難民や麻薬商人を始末する零人(レイド)と呼ばれる組織の暗殺者の事を知った紅華。
彼女がローズとその零人を結びつけるのか。
先が楽しみです。
まとめ
次巻、紅華と緋梅は何やら事件に巻き込まれる模様。
ローズは紅華を救えるのか、救えたとして暗殺者である事を隠し通せるのか。
早く続きが読みたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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