ノー・ガンズ・ライフ 10 ヤングジャンプコミックス
著:カラスマタスク
出版社:集英社
硫黄に奪われた圧縮構造体を、収容所に保管されていたトゥエルブから受け継いだ十三。
起点となったヴィクターの並列型補助脳は硫黄に奪い去られたものの、ヴィクターの影を巡った一連の出来事は一応の収束を見せた。
兄を失ったメアリーの涙と共に……。
主要登場人物 10巻での状況
乾十三
ガンスレイブユニットと呼ばれる拡張者
トゥエルブの圧縮構造体を受け継ぎ、GSUとしての機能を回復した。
鉄郎
ハルモニエを持つ少年
守られるのではなく共に戦う為、新たな手足をメアリーに処理してもらう。
メアリー
拡張処理技師
ヴィクターの死を乗り越え拡張処理技師と活動中。
島津
元反拡張主義者「スピッツベルゲン」の闘士
十三達の住むアパートで現在も暮らしている。
拡張処理者によって恋人を失った過去を持つ。
その恋人の存在が、失った左腕を拡張処理で補うべきか悩む原因になっているようだ。
料理上手、彼女の作る儂弁当は絶品らしい。
硫黄
鉄郎同様ハルモニエを持つ男
ヴィクターの並列型補助脳を奪い、ベリューレン社の思惑を離れ活動中。
あらすじ
ヴィクターの事件も一旦幕が引かれ、十三達は束の間、以前の日々を取り戻した。
自分の罪を認め先に進み始めた島津。
処理屋の仕事として持ち込まれた、ある拡張者の死の調査。
鉄郎を騙る少年と鉄郎との出会い。
そんな比較的穏やかと呼べる日々の中、ヴィクターの並列型補助脳を奪った硫黄が次なる計画をスタートさせる。
感想
今回は冒頭の島津の過去、十三の本業である処理屋としての仕事、新たな手足を手に入れた鉄郎と彼の名を騙る少年との出会い。
そして新たな計画をスタートさせた硫黄達の様子が描かれました。
ギャップの塊の様な島津(女性とは思えない立派な体躯、侍のような口調、料理上手)は、物語の中では笑い担当の様な立ち位置と認識していましたが、今回のお話でかなり印象が変わりました。
儂弁当(儂と刻印された島津お手製の三段重弁当)で以前からかなり好きなキャラでしたが今回収録されたエピソードで益々彼女の事が好きになりました。
また今回収録された処理屋としての仕事の話は、戦争が引き起こす悲劇は死と破壊だけではない事を改めて感じさせる物でした。
映画等でも語られる兵士達の壊れた心。
それがもたらす不幸の連鎖。
戦争は勝っても負けても双方に深い傷跡を残す。
作品の大きなテーマ自体が戦争の残した物だとは思うのですが、今回のエピソードは強くそれを感じる物でした。
まとめ
今巻は次の戦いに向けての休息と準備、そして序章といった印象の巻でした。
次回は硫黄達が本格的に動き出すのかなと想像しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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