東京黄昏買い食い部 1 角川コミック・エース
著:鈴木小波
出版社:KADOKAWA
二葉葵(ふたば あおい)と有馬巴(ありま ともえ)。
小柄で大食漢な葵と長身だが胃袋は普通の巴が、ワンコインで東京の食を食べ歩きます。
作品は二人の高校時代と社会に出た後の二つの時代が描かれます。
なお、成長後はワンコインの縛りはない模様。
登場人物紹介
二葉葵
高校生女子/漫画家(成長後)
小柄だが大食漢。
放課後、買い食いしても夕食はきっちり食べる。
毎日のお小遣い五百円を使い個人的に買い食い部(学校非公認)を創設する。
実家はかなり裕福なようだ。
漫画家としてのペンネームは双葉葵。
有馬巴
高校生女子/雑誌編集者(成長後)
170を超える身長を気にしている女の子。
強引な葵のペースに巻き込まれる形だったが、意気投合し買い食い部に入部する。
買い食い部としての肩書は副部長。
大学卒業後、出版社に就職、担当としたのが友人の葵だった為、距離の取り方に苦心している。
あらすじ
ある日の雨の放課後、帰りの電車内に傘を忘れた巴は駅のホームでクラスメイトの小柄な少女と出会う。
寒さに震える彼女に自分のカーディガンを渡すか迷うが、名前を思い出す事が出来ず声を掛けるのを諦めてしまう。
巴は人の名前を覚えられない事で、クラスでも透明人間の様な存在だった。
巴がカーディガンを渡せない事を心の中で少女に詫びていると、不意に彼女が振り返った。
気付かれたと慌てたが、彼女が駆け寄ったのは駅のホームにあるミルクスタンドだった。
こんな物があったのかと思わず「へぇ」と漏らした巴に少女はニコリと笑い掛ける。
それに少し引き気味で巴も笑みを返す。
名前が思い出せず、関わる事を避けていた巴に少女は気さくに話しかけてきた。
その会話の途中、大きなくしゃみをした彼女に巴は自身のカーディガンを渡した。
嬉しそうにカーディガンを着た少女は、五百円玉を翳して言う。
今から「買い食い部」の部活動をするんだけど
一緒にしない?
買い食い部は非公認で部員は彼女一人らしい。
強引な少女に押し切られ巴はホットミルクを購入した。
巴がその温かさを感じている横で、少女は購入したフルーツ牛乳を腰に手を当て一気に飲み干した。
流れる様に次の飲み物を注文しそれに合わせるパンを選び出す。
クラスで見た時、小さくてかわいい子だなとは思ったがこんな子とは知らなかった。
というよりも、巴はクラスメイトの誰一人として詳しく知らない事を改めて気付いた。
そんな事を考えていた巴の横で少女は卵むしパンと甘食、どちらにするか真剣に悩んでいた。
不意に巴の腹が盛大に鳴る。
恥ずかしさで赤面した巴は、照れ隠しに自分があんパンを買うから半分コします?と彼女に問う。
少女の答えは「天才!!!」だった。
続けて少女は巴を背が高くて素敵だと思っていたが、名前を覚えていない事を謝罪する。
巴は一瞬、虚を突かれた後、顔をほころばせ私もですと返した。
スタンドの前でお互い買ったパンをシェアしながら、巴はその少女二葉葵に買い食い部へ本入部したい旨を告げた。
葵は「もちろん」と答える。
この日から長い付き合いとなる葵との買い食い部活動が始まった。
感想
学生時代、放課後の帰り道、様々な物を買って食べていた事を思い出します。
タコ焼き、今川焼き、肉まん、おにぎり、総菜パン。
すべてワンコイン以下、高級でも上品でもないけれど、とても美味しかった事を覚えています。
大人になり、付き合いで高級な物を食べる事もたまにありますが、腹ペコで食べた百円のあんパンの方が美味しかった様な気がします。
時に友人と、時に一人公園のベンチで。
その時々の思い出も加味されて、余計にそう思うのかもしれません。
まとめ
大人になって買い食いは殆どしなくなりました。
そう言えばタコ焼きも肉まんも何年も食べていないなぁ。
なんか急に食べたくなってきました。
こちらの作品はコミックNewtypeにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。