漫画

DOG SIGNAL ドッグシグナル 第七巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2022年3月14日 更新日:

ポメラニアン
DOG SIGNAL ドッグシグナル 7 ブリッジコミックス

著:みやうち沙矢
出版社:KADOKAWA

新婚ホヤホヤで夢だった犬のアリスも迎え入れ、幸せの絶頂に見えたたろと妻の雪菜(ゆきな)。
しかしアリスと雪菜は共に人の手が怖いという問題を抱えていて。
犬の問題と共に人の心の問題も描くドッグトレーナー物語、第七巻。

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登場人物等

アリス
チワックス
前の飼い主による虐待により人の手が苦手。

たろ
結婚一ヶ月の男性
くせ毛で背の高い青年。
以前から犬を飼いたいと思っていた。
妻、雪菜もそれに賛同し彼女の希望でアリスを引き取る事になった。
慎一郎たちとは専門学校同期。

雪菜(ゆきな)
たろの妻
セミロングで眼鏡の小柄な女性。
彼女もアリスと同じく人の手が怖い。

前田メイ(まえだ めい)
トイプードルの子犬
噛み癖がある。

前田真奈美(まえだ まなみ)
メイの飼い主
ロングヘアーの女性。
未祐の元カノ、優子の紹介で慎一郎たちの下を訪れる。

神宮寺広重(じんぐうじ ひろしげ)
糸目髯のおじさん
一人娘の百恵(ももえ)が結婚し家を出た事を機にポメラニアンの小百合(さゆり)を飼い始めた。
感情表現が苦手な真面目おじさん。

百恵
神宮寺の娘
ポニーテルの快活な女性。
何かにつけて反応の薄い父親に不満を持ちつつ、半ば諦めている。

小百合
ポメラニアン
真面目な神宮寺は書籍を頼りに彼女にしつけを行おうとするが……。

あらすじ

結婚しお互いに想い合っていても、雪菜は未だに人の手が怖く、夫婦でありながら軽いスキンシップさえままならない状態だった。

雪菜は自分と同じく人の手が苦手なアリスに親近感を抱き、なるべく手を見せない様に服で隠し餌を与える等、距離を置いた対応を行い、夫のたろにもそれを実践するよう促した。

だが、たろはそれで本当に幸せなのだろうかと呟く。
アリスの部屋は広くおもちゃも一杯だが、家族であるたろ達と触れ合う事なく独りぼっちだ。

もっと触れ合ったり抱きしめたり、一緒に遊んだり散歩したり。
そう言ったたろに雪菜は「だってできないじゃん!!」と声を荒げる。
アリスは前の飼い主から叩かれていたらしく、人の手が怖いのだ。

もう怖がらせたくないのッ!!

そう叫んでしゃがみ込んだ雪菜に、たろは大きい声もアリスは怖いと思うと告げる。
たろの言葉で、怯え小屋に逃げ込んだアリスに気付いた雪菜は御免と謝りながら柵で囲んだアリスの部屋に駆け寄った。

そんな雪菜にたろは雪菜がアリスに接する様に、自分にも雪菜に接して欲しいか尋ねた。
彼は雪菜が人の手が怖い事に気付いていた。
たろは優しい雪菜に魅かれ、共に暮らし触れ合う事で、やがては慣れてくれると期待していた。

しかし、雪菜は恐怖を克服するのではなく、逃避を選んだ。
たろはそんな雪菜に、一生、アリスと同じく距離を置いて接していくのは無理だと言い残し、しばらく実家で考えると家を出た。

たろを呆然と見送った雪菜は、アリスの部屋の中、膝を抱え泣いていた。

たろとは同じデイケアの職場で知り合った。
雪菜は事務員、たろは介護士として働き、利用者の老人たちにその手で優しく接していた。

あの手ならもしかしてと思っていたのに……。

そんな事を思い涙を流す雪菜に、アリスがそっと近づく。
思わずその頭に手を伸ばすとアリスは恐怖で体を縮めた。
雪菜の脳裏にたろの幸せなのかなという言葉が浮かぶ。

ネットに上げられた写真や動画では、犬たちは飼い主と幸せそうにふれあっていた。
アリスはこんな顔しない、それに病気になったり、トリミングする時もきっと困る筈……。

パソコンの画面を見ながら、そんな事を考えた雪菜の足にそっとアリスが寄り添う。
人の手に怯えながら、アリスも本当は触れ合いたいのだ。
そう気づいた雪菜は乗り越えたいと強く思ったのだった。

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感想

今回はトラウマを抱えた女性、雪菜と虐待された過去を持つアリスのお話から始まり、噛み癖のあるトイプードルのメイ、感情表現が苦手なおじさん神宮寺としつけ指南書等が描かれました。

その中でも指南書のエピソードが印象に残りました。
神宮寺が買った本は出版日が古く、版を重ねても内容が改定されていない様でした。

犬という人に身近な動物であっても、習性については常に研究が為されており、その本のリーダーが群れを統括するという犬に対する認識は、間違った実験結果が用いられていました。

また、作中、慎一郎が語る様に、一匹一匹に個性があり、その犬に合わせたしつけの仕方が必要というのは、改めて考えると当然で頷けるものでした。

当たり前ですが、犬も人と同様、合う合わないがあるのだなぁと感じさせられたエピソードでした。

まとめ

この巻ではおまけとして漫画家の温之(はるゆき)と柴犬の茶太郎(ちゃたろう)のお話が収録されていました。
相変らず二人は仲良しでなんだかホッコリしました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品はComicWalkerにて一部無料でお読みいただけます。
作者のみやうち沙矢さんのTwitterはこちら

※イメージはpixabayのskorchanovによる画像です。
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