みなそこにて 1 webアクションコミックス
著:冬虫カイコ
出版社:双葉社
中学生の少女、今井一花(いまい いちか)は自由奔放な母親に捨てられ、妹の仁奈(にな)と共に人食い人魚の伝説の残る集落にある祖母宅へと預けられる。
その生温い水たまりのような集落には、千年(ちとせ)というずぶ濡れの少女がいて……。
登場人物
今井一花(いまい いちか)
黒髪ショートの中学生女子
母親が交際相手と暮らすため、祖母宅に預けられた。
母親が迎えに来て集落から出る事を強く望んでいる。
仁奈(にな)
一花の妹
黒髪セミロングの女の子。
集落に棲む不思議な少女、千年と知り合い祖母宅へと導く。
令子(れいこ)
一花たちの祖母
ショートカットの老婦人。
千年とは顔なじみのようだ。
千年(ちとせ)
髪の長いずぶ濡れの制服少女
集落の者たちは彼女を意図的に無視しているようだ。
五月(さつき)
一花のクラスメイト
黒髪おさげの女の子。
外から来た一花の存在が何か変化をもたらすのではと期待する。
春凪(はるな)
高校三年女子
黒髪ロングの少女。
高三の春、体に意図しない変化が訪れる。
あらすじ
恋人としばらく二人で暮らすという母親に、祖母宅へと預けられた少女、一花。
彼女はしばらくしたら迎えに来るという母の言葉を信じ、生温い水たまりのようなその集落の者たちとなれ合う事無く過ごしていた。
どうせすぐに出ていくのだ。
一花は田舎に染まりたくはなかった。
そんな一花をよそに、妹の仁奈は集落になじみ千年というずぶ濡れの少女を祖母宅へと連れてくる。
千年はその後、一花の周囲に現れるようになった。
一花は様子のおかしな千年と距離を置いていた。
そうして祖母宅で過ごすうち、やがて、彼女が待っていた母親からの連絡が入った。
その翌日、社会見学で湖を訪れた一花にどこからか現れた千年が声をかける。
「もうそのくつ下、いいんじゃない?」
リボンのついた黒いくつ下。
それは母が選んで買ってくれたものだった。
その母親には新しい家族が生まれるらしい。
「もう迎えには来ないね」
千年の言葉で泣き崩れる一花を、彼女は疲れたでしょと水底へと誘った。
千年に抱かれ湖のそこへ落ちた一花。
彼女はその日を境に、集落に来た時とは別人のように穏やかになった。
感想
人を食うという人魚の伝説が残る集落。
作品はその集落へと預けられた一花の他、一話ごと、村に住む少女たちを主人公に展開していきます。
一巻では人魚の千年に導かれ変化した一花の他、外の世界にあこがれる一花のクラスメイト五月、原因は不明ですが人魚化してしまった少女、春凪、人魚な少女千年、一花の祖母令子をメインにした五話が収録されました。
ずっと昔から変わらない姿のままの千年。
彼女は不老不死なのか?
人魚になった春凪、彼女のような存在はほかにもいて、水の底で暮らしているのか?
普通と違う集落の人々の瞳の色の事。
彼らは多かれ少なかれ何か人魚の影響を受けているのか?
等、色々、気になる事の多いお話でした。
まとめ
人に似ているけど、人とは異なる人魚。
村人にはその人魚の血が流れているのか。
ルーツが何なのか気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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