横須賀こずえ 1 ビッグコミックス
著:小田扉
出版社:小学館
団地ともおの小田扉さんによる最新作。
横須賀で暮らす王島家のペット「こずえ」のお散歩と探求の日々を描いた作品です。
登場キャラクター
こずえ
犬
本作の主人公。
小学四年生男子並みの知能を持つ天才犬。
塀の上を歩いたり、木に登ったりと猫的な動きもする。
ちなみにメス。
王島健三(おうしま けんぞう)
王島家長男
こずえを拾って来た男。
教師。
散歩コースは坂道や階段等、勾配の多いルートが多い。
王島まさお(おうしま まさお)
王島家次男
小学生。
散歩は小学生らしく走りを主体としたもの。
王島正一郎(おうしま しょういちろう)
王島家家長
サラリーマン。
眼鏡を掛けた中年太りの男。
散歩は中年男性なので歩きメイン。
王島サナエ(おうしま さなえ)
王島家の実質的な支配者
眼鏡を掛けた中年女性。
当初はこずえを一時的に保護したというスタイルで接していた。
こずえの名付け親。
散歩は父と同じく歩き中心
サンダー
ご近所さんの飼い犬
思慮深くこずえの相談にも乗ってくれる。
結構情報通。
ゴメス
隣家の飼い犬
元気一杯のブチ犬。
あまり賢くはない。でもこういう子は好きだ。
縞次郎
ボーダーシャツを着たフレンチブルドッグ
年功序列に重きを置いている。
猫に対して憧れがある。
フォックス
住宅の塀の高い位置にマーキングを残す犬
彼のマーキング方法を知る為、こずえは仲間達と試行錯誤を繰り返す。
キャバ嬢
職場で客から聞いた位置情報アプリ「犬ウォーク」にハマる。
愛犬はチワワのモモ。
キャバクラの客
トイプードルを飼うおじさん。
大きな犬を飼う事が夢。
魔法使いの老婆
こずえに人化の魔法を掛ける。
使い魔はカラス。アフターケアも万全な善良な魔法使い。
なぜこずえに魔法を掛けたのか、その理由は分からない。
カレー屋を探す男。
神出鬼没の幻のカレー屋「ゲリラカレー」を探している。
サンタ
体力の衰えが原因でトナカイの捕獲が出来なかった。
不審者感が凄い。
王島ハナエ
王島家長女
一人暮らしをしている為、王島家には年末等の休暇時しか帰ってこない。
こずえに対してはドライな態度を貫く。
性格的に媚を売る事が出来ず、現在は異性との縁を繋げないでいるようだ。
ムギ
重森家にいるロボット犬
こずえと会話らしき物は出来るが、当初は人造物の為か関連性のない単語の中に、言いたい単語を混ぜ込む形でしか話せなかった。
飼い主である老婆は、ムギを昔自分が飼っていた犬と誤認しているようだ。
あらすじ
横須賀の王島家に拾われた雌犬。
当初、家族は迷い犬として彼女を飼い主に返そうとしていたが、拾われた際、首輪をしていなかった事もあり結局「こずえ」と名前を付け飼う事にした。
こずえは犬としては非常に知能が高く、小四男子程度の知能を有していた。
彼女はその知能を使い、時に理知的に、時に本能のままに犬としての生活を謳歌する。
感想
ノリとしては団地ともおと同様、少しシュールに描かれた横須賀の街を舞台に、こずえを中心として様々な日常の様子が描かれるのんびりとしたコメディ作品です。
こずえは設定上、犬としては天才犬という位置づけですが他に登場する犬達もゴメス以外は人間の思考と変わらない表現をされています。
(ゴメスはこずえたちと喋れるけど、楽しい事が大好きなTHE犬といった感じ、可愛い)
人間的な思考を持ちつつも、犬の本能には逆らえないこずえのリアクションがシュールで楽しいです。
今巻ではシャワーで体を流され、映画で囚人が看守に消火ホースで水を浴びせられるシーン(ショーシャンクの空にで観た記憶があります)を想像して惨めになりつつも、本能的には喜びを感じてしまうシーンが特にお気に入りです。
まとめ
ともおが好きなら楽しめると思います。
作品自体からは静かな住宅街の午後といった雰囲気を感じます。
皆働きに出て、人の気配は無いんだけど穏やかで暖かい。
何となくですが、そういったモノを感じる作品です。
この作品はビッグコミックBROSにて第一話を無料でお読みいただけます。
作者の小田扉さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。