童子軍鑑 4 ヤングジャンプコミックス
著:小田世里奈
出版社:集英社
帝国に利用され家族を奪われたノームのフェイ。
彼はその過程で得た異世界の知識を用い帝国に牙を剥く。
知識で巨大な帝国に立ち向かう非力なノームのお話も、この巻で第一部完結です。
あらすじ
東西南の三国による会談がいよいよ開始される。
帝国の脅威に立ち向かう為、亡国となったイーストガーデンの王子マルクとラルスはシーアン、クセルクセスの二国を繋げるべく蒸気砲の図面提供を申し出る。
ラルスは二国間における貿易を行い、その橋渡し役をイーストガーデンが行う案を提案した。
強力な蒸気砲が得られ、更に不足物資も補える。
いい案だとクセルクセスのアルジュナ王は理解を見せるが、自分は降りるとラルスの案を拒絶した。
二国間では過去、度々お互いのもつ資源を奪い合う争いが起きており、その確執から信頼関係の構築など出来ようもなかった。
平行線のままの状態で議会は硬直した。
そのピリピリとした雰囲気の中、フェイは「家族だったら信じられるんじゃねぇ?」と王たちの座る円卓に歩を進めた。
円卓についたフェイの提案。
それは政略結婚だった。
書物の中にあった織田家と斎藤家の婚姻関係。
敵方へ親族を送り込む、人質でありスパイでもある状況。
そしてその者に子が出来れば、その国の王位継承権を得る。
これを何代か繰り返せば、三つは親戚関係となり東西南を合わせた強大な国家が生まれるだろう。
アルジュナは娘の事を想い、フェイにお前は何を差し出すのかと尋ねた。
彼は微笑みを浮かべ「命を」と答えた。
感想
今回は帝国側の兵器として、大砲とマスケット銃が登場しました。
大砲は従来の城壁を無効化し、より効率的に人を殺害していきます。
ただ、迫撃砲や自動小銃等は登場していない為、戦闘自体は陣形を作り集団で移動する形をとっています。
読んでいると、うろ覚えですがアメリカ独立戦争関連で見た隊列を整え前進して動く的となった部隊の話を思い出しました。
武器によって戦い方は変化していきます。
銃の登場で剣の時代は終わり、重い鎧を着た騎士や兵士は姿を消しました。
更に迫撃砲や手榴弾、マシンガンの登場で陣形を取り突撃する形では無く、塹壕戦や少人数の隊に分かれ分散して戦う形に変化していった様に思います。
そして技術の発展により戦車や戦闘機の時代に変わっていったと認識しています。
より効率的に人を殺す。
こちら側の被害を減らし、相手方に大きな打撃を与える。
その行きついた先が大量破壊兵器や衛星兵器ではないでしょうか。
今も世界中で紛争は続いています。
だけど本当はみんな食べて寝て、のんびり娯楽を楽しみ笑いたい。
したいのはそれなんじゃないのかなとか思ってしまいます。
まとめ
作品はこの巻で一旦終了です。
でもバカレイドッグスの例もあるように、凄く既刊が売れれば復活もあるんじゃないかなと思います。
この作品はとなりのヤングジャンプにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。