セクシー田中さん 4 フラワーコミックスアルファ
著:芦原妃名子
出版社:小学館
想いを寄せる三好(43歳:既婚者、奥さんが海外におりほぼ離婚状態)の事を悪く言われた事で笙野に怒りをぶつけた田中さん。
そんな田中さんが好きな三好に頭を下げ、笙野(しょうの)はダラブッカ(エジプト等、主に中東で使用される打楽器)を習い始め……。
登場人物
渡辺(わたなべ)
松戸にあるインド料理店のオーナー、ボリウッドダンサー
黒髪髯の彫の深い男性。
カレーとボリウッド好きが高じてインド料理店を始めた。
田中さんの両親
田中さんを愛し見守る。
彼らの存在が素直で一生懸命な田中さんの基礎を作った様に感じた。
お父さんの作るちらし寿司、超美味しそう。
愛子(あいこ)先生
60歳の現役ベリーダンサー
我儘で自由で明るくエネルギッシュな女性。
超強い。
あらすじ
プライドが高く、自分を曲げる事の無かった笙野。
そんな彼が三好に頭を下げ、ダラブッカを教えてもらう。
朱里(あかり)は彼を変えた田中さんの事を考えると胸の奥がチクリと痛んだ。
朱里は子供の頃からずっとモテて来た。
彼女が笑えば男の子達は優しくしてくれた。
しかし、年を重ねるにつれ、それが愛では無く性欲なのだと気付き本音で話す事を止めた。
友人の中には恋人と長く愛を育む者もいる。
自分とは何が違うのか。
頑固で偏見にまみれ、いけ好かない笙野。
彼を変えた田中さんが持っていて、自分が持っていないモノは……。
そんなモヤモヤで苦しくなった朱里は、レッスンとジム通いに明け暮れる。
そんな生活を続けている内、同僚からも姿勢を褒められる事が増えた。
筋肉は裏切らない、その事を朱里は身を以って知った。
感想
今回は田中さんと自分の違いに思い至った朱里のモヤモヤから始まり、インド料理店でのダンス、田中さんの実家でのお泊り、愛子先生襲来等が描かれました。
今回はその中でも、朱里のモヤモヤと愛子先生が印象に残りました。
朱里は幼い頃から空気を読む事が上手く、空気を悪くしないよう身を引いたり、わざと軽口を言ったりして本心を表に出さす生きて来ていました。
そんな朱里が田中さんの笑顔を見て自分に足りないのは素直さなのではと気付きます。
社会で生きて行く上では摩擦を減らす為、朱里の様に自分を偽り生きている人、特に日本人は本音を言わない人が多い様に思います。
空気が悪くなるから、自分が我慢すれば……。
今回、朱里の姿を見ていて、やっぱり自分に嘘を吐く事は心にシコリが残るんだなぁと感じました。
一方で、自由で思い通り生きている愛子先生の姿は読んでいて、自然に笑いが浮かびとても素敵に感じました。
まとめ
今回のラスト、スッピンで愛子先生と踊った動画が社内で拡散され、田中さんがベリーダンサーである事が会社に知られてしまいました。
田中さんがどんな選択をするのか、次も楽しみです。
この作品は小学館公式サイトにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。