オオカミライズ 2 ヤングジャンプコミックス
著:伊藤悠
出版社:集英社
倭狼(ウォーラン)と呼ばれる狼の特徴を備えた不死身の者達。
それを抹殺する為作られた吃狗(チィゴウ)という特殊部隊の隊員の一人、澤笑見(サワ エミ)は戦闘の中で倭狼に連れ去られます。
倭狼の血が体内に入れば死からは逃れられない。
ですがエミはその血を受けて生き残りました。
あらすじ
実験において女性の検体は全て死亡した。
だがエミは死ななかった。
意識を取り戻した彼女は倭狼の祖である前田(マエダ)との会話の中で自分を群に加えようという彼の意図を感じ、手渡された自身の刀を使い自害を選択する。
しかし、刀は首を切り裂いたが死ぬ事は出来なかった。
女の倭狼。これまで存在しなかったそれにエミはなっていた。
マエダは言う。
我々を殺す弾。その我々にお前も含まれたのだと。
血液を散弾にして撃ち出すそれには、倭狼になった四十九名のかつて人であった時の血が使われていた。
一方、中国の対倭狼部隊吃狗の基地では笑見の血も含めた銃弾を隊員達に配布していた。
管理官は女性の倭狼は全て死ぬ、よって彼らが殖える事は無いとしながらも笑見が生存していた場合殺すつもりのようだった。
昭(アキラ)の目はその説明を聞きながら怒りを湛えていた。
場面は戻り倭狼の巣。
エミはマエダに首を落とせば死ぬのかと問う。
彼の答えはそれでも生きた例が一つあるという物だった。
死ぬ事も出来ず、戻れば殺されるか実験動物にされるか。
倭狼に飼われる道しか無い事に絶望するエミに巨大な狼、剣(ケン)が声を掛ける。
アキラはエミを連れ帰るのを諦めない。
彼なら絶対そうする筈。
だから死のうとするな。
エミの目に映るケン。
恐ろしい筈のその姿はエミには何故かとても美しく見えた。
感想
今回は今まで男しか存在しなかった倭狼の群に、エミという女性の存在が加わり、これにより群の拡大という可能性も出てきました。
また、彼らの起源。
倭狼の元となった研究の始まりが語られました。
そしてアキラが収容所に入れられた原因や、彼の出自についても少し描かれました。
自らが生み出した倭狼を抹殺しようとしている中国。
研究する為、手中に収めようとしている露西亜。
そんな状況の中、生きる道を模索するケン。
彼にそれを植え付けたのは、現在彼を殺そうとしているアキラのようでした。
二巻の段階では二人が道を別つ事になった原因についてまだ描かれてはいないのですが、少しずつ何が起きたのか分かってきた様に思います。
まとめ
アキラとケン。
彼らは立場は違えど、どちらもエミを助けようと動いている様に感じました。
国という強大な力によって引き裂かれた仲間たち。
ハッピーエンドが好きなので、鉄血みたくはなって欲しくないなと思ってしまいました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。