妻、小学生になる。 4 芳文社コミックス
作:村田椰融
出版社:芳文社
圭介(けいすけ)と共に貴恵(たかえ)/万理華(まりか)の運動会の応援出かけたふたりの娘、麻衣(まい)。
彼女はそこで貴恵の家庭環境と母親についての良くない噂を聞きます。
更に偶然出会ったタケルからも、貴恵の変化やヒステリックな母親の情報を得ます。
麻衣はその事を貴恵に問いただすのですが……。
登場人物
友利子(ゆりこ)
貴恵(前世)の姉
明るく快活な女性。
自由奔放な性格。
萌(もえ)
貴恵(前世)の妹
おっとりとしたマイペースな女性。
現在はネイルサロンの店長を務めている。
那由太(なゆた)
萌の息子
元気一杯の男の子。
ヤンチャで運動神経が良さそう。
貴恵の母
貴恵(前世)の母親
笑顔とエプロンの似合うお母さん。
現在は認知症を患いデイサービスに通っている。
浦川広樹(ひろき)
万理華(貴恵)の母と交際中の男
第四巻まで読んだ感じでは、酸いも甘いも噛み分けた大人の男に見える。
あらすじ
麻衣に現在の母親の事を聞かれた貴恵は、麻衣を心配させない為に母親をフォローする。
その話の流れで万理華(貴恵)が両親の離婚で酷く落ち込んでいたと聞かされ、その事を余り思い出せない事の方が貴恵は少し気になった。
気を使ってくれた事に礼をいい去って行く貴恵の後ろ姿を、麻衣は不安な面持ちで見送った。
後日、そのモヤモヤを払拭すべく早めに出て海を見ていた麻衣に、釣りに訪れた蓮司が声を掛ける。
麻衣は上手く行かない事があってと、心に溜まっているモノの一部を蓮司に思わず漏らしてしまう。
クライアントに言う様な話では無かった事に気付き、麻衣は慌てて釣りの話に話題を切り替えた。
興味があるのなら教えるという蓮司に、麻衣はじゃあと釣りを教えてもらう事にした。
釣果はまずまずでモヤモヤも少しは晴れた麻衣は、海の近くに住むっていいですねと蓮司に笑い掛ける。
それに蓮司は怖い部分もあると振り返らずに答えた。
彼が海で友人を亡くしている事を思い出した麻衣は、思い切って原因を尋ねた。
蓮司の話では台風の時、高波にのまれたらしい。
友人が死んだ台風以外でも、津波の被害も大きく復旧作業は未だに続いている。
海は楽しいだけでなく、怖い部分も持っている。
麻衣は自分なら引っ越してしまうと思うと口にし、蓮司に離れようと思った事は無いのかと尋ねた。
蓮司は確かに怖いと答え、次は自分が死ぬかもと口にした。
でもと彼は続ける。
「もしかしたら逆に……誰かを救えるかもしれない」
そう語る彼の言葉に麻衣は衝撃を受けた。
恐怖を口にしながら、他の誰かを救えるかもと海の側で暮らし続ける蓮司。
そんな彼に麻衣は力を貰えた気がした。
感想
今回は冒頭の麻衣の話から始まり、貴恵(前世)の命日での墓参り、貴恵(前世)の家族との再会、麻衣と蓮司、ハロウィン、そして万理華の母とその恋人の事が描かれました。
今回は圭介がハロウィンの宴会で語った時間の話が印象に残りました。
人は生まれた瞬間から死に向かって歩いています。
過ぎ去った時は戻らず、時間は常に一定方向に動き続けます。
その有限な時間の中で生きていくのなら、モジモジして鬱屈した時間を過ごすより、全てをハッキリさせて迷いなく進んだ方が生き方として楽な気がします。
まとめ
今回もとても気になる感じで終わっていました。
読み進める内に万理華の母も、そこまで悪い人では無いのかと思えて来ました。
こちらの作品はピッコマでも一部無料で閲覧できます。
作者の村田椰融さんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。