バカレイドッグス Loser 2 ヤンマガKC
原作:矢樹純
漫画:青木優
医療監修:茨木保
出版社:講談社
横浜に拠点を移した犬童兄弟と鈴。
彼らは辰次達の母親を奪った北條という男を追いながら、正規の医者に掛かれない患者を救っていきます。
登場人物
笹森(ささもり)
真っ黒な会社に勤めるサラリーマン。
社長の金城からは遊びの道具として暴力を振るわれ、立場を利用して好き放題に扱われている。
金城(きんじょう)
笹森の勤める会社の社長
化粧品やサプリの通販会社を経営している。
笹森と知り合った経緯は不明だが、最初に恩を着せたのは笹森を体のいい奴隷にしたかったのではないだろうか。
沙耶(さや)
母子家庭で暮らす女子高生
父親が出て行き母親はそのショックで働けない様子。
生活費も支払われない為、生活に困窮している。
ボランティア部に所属しているが、同調圧力が強く活動費の事で思い悩む。
実季(みき)
沙耶の友人
沙耶と同じくボランティア部所属。
沙耶が家の状況を話す事が出来なかった為、意図せず沙耶を苦しめる話をしてしまう。
愛梨(あいり)
ボランティア部部長
自分の決定に従わない者や迎合しない者を排除し、自身が心地よい空間を作り出そうするタイプ。
フクチ
沙耶がパパ活で知り合った男
金に困っている沙耶に怪しい薬による商売を勧める。
あらすじ
山中に呼び出された辰次、亥三、鈴の三人。
指定された場所に向かうと拳銃を持った男と仲間らしきガタイのいい男、そして木にロープで縛りつけられた男、三人がいた。
男二人は縛った男に暴力を振るっていたようで、縛られた男の顔は腫れあがっていた。
鈴は咄嗟に男のロープを外そうとするが、辰次はそれを制しする。
疑問を口にした鈴に辰次は状況をよく見ろと返す。
縛られた男の名は笹森、彼は以前にも犬童医院に運び込まれた事があった。
その時は社長の金城にエアガンの的にされ、右目を負傷していた。
その際、鈴と辰次は金城から離れる様笹森に忠告したのだが、彼は拾ってくれた金城に恩義を感じており忠告を受け入れなかったようだ。
辰次が鈴を制止した理由、それは笹森がきつくロープで縛られている事にあった。
ロープで長時間圧迫されることで血液中に毒性物質が生じる。
いまロープを解けばその毒が体中に回り笹森は死ぬ事になる。
辰次は鈴に輸液を投与させ体内の毒を薄めてから、笹森を車に運んだ。
感想
今回はパワハラと暴力を受けている笹森、そして金銭的に困窮している沙耶のお話の前編が収録されました。
パワハラしかり部活の同調圧力しかり、立場を利用し他人を行動を縛り付ける人々にとても苛立ちを感じます。
今回登場した沙耶は周りに合わせて生きようとしている様に感じました。
人と比べ安心感を得る為なのでしょうが、そんな事には何の意味も無いと思います。
何故なら生まれた場所も時間も境遇も違う別の生き物だからです。
例えば自分を微生物と比べるでしょうか。
逆に星を生物と考え自分の小ささを嘆くでしょうか。
例が極端になりましたが、根本的には同じ事だと思います。
同じ言葉を喋る人という種であっても、自分は自分だけで他の誰でもありません。
同じ時間、同じ場所には一人しか存在出来ません。
宇宙には同じ人は一人しかいないのです。
人間の中で社会生活を送る為にはある程度合わせる事も必要でしょう。
ですがその為に誰かを傷付け、なにより自分を傷付けながら生きる意味は無い様に思います。
本当に苦しくて嫌な事は嫌と言って、思いっきり戦うか逃げるかしまえばいい。
今回登場した二人を見ているとそう思ってしまいました。
まとめ
登場した二人はどちらも視野狭窄に陥っている様に感じました。
それをしなければならないと決めると、とても息苦しくなる様な気がします。
なにか失敗しても次回頑張ればいいと思えれば、生きていくのが楽になる気がします。
よく失敗するので、そうでも思わないとやっていけないって所はあるのですが……。
こちらの作品はコミックDAYSにて一部無料で閲覧できます。(20年2月現在)
原作者の矢樹純さんのTwitterはこちら。
漫画担当の青木優さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。