映像研には手を出すな 5 ビッグコミックス
著:大童澄瞳
出版社:小学館
浅草の設定に基づいたストーリー性のある作品を作り上げた映像研。
今回はその作品制作に協力した百目鬼が警備部に捕まる所から始まります。
あらすじ
異物混入事件で食堂が閉鎖。
食堂で常からパンの耳をもらっていた百目鬼は、食堂内に人がいるのを見つけパンの耳を貰おうと声を掛ける。
しかし、それを警備部に見つかり異物混入事件の犯人として捕まってしまう。
その後、警備部により尋問を受けるが百目鬼が録音していた尋問の様子が警備部による恫喝を明るみに出させ百目鬼は解放された。
浅草は百目鬼になぜ金が無いのか尋ねた。
彼女の答えは音響。
恐らく彼女は食費を機材等に使っているのだろう。
そんな百目鬼を浅草は食料調達にさそう。
二人は学校の裏山でザリガニを獲り、団栗を集める。
その途中、コンクリートの壁に作られた穴を見つけた二人は中を探索。
その先で時計塔を見つけた浅草は、塔にまつわる様々な設定を思いつく。
その後、異物混入事件も収束したある日。
食堂で食事を取りながら浅草の描いた新しいアニメのコンテを見ていた映像研と百目鬼たちだったが、その際中百目鬼が何かに気付き駆け出す。
彼女はコンテに描かれた時計塔の鐘の音を録ろうと思っていた。
一音目は間に合わず、二音目を取ろうとマイクを向けた百目鬼だったが彼女の目の前で時計塔は故障した。
感想
今回は異物混入事件に端を発した時計塔の発見。
更には時計塔再建に絡めたアニメ制作、そして時計塔での上映準備と続きました。
今回は作中金森が言っていた道端の大根の話が印象に残りました。
似たような話だと一本だけ残った松、コンクリートの間から咲いたタンポポ、ちょっと違いますが多摩川のアザラシとか。
どれも偶然の産物だと思うのですが、人はそこに物語を後付けしている様に思います。
大根は偶々そこに根付き成長しただけなのに、苦しい環境で懸命に生きていると人は考え感動します。
世界はそこにあるだけなのに、人間はその事に意味を求めてしまう。
それは知性を持ってしまった人の性なのかもしれません。
まとめ
今回、金森のプロデュースが学校の枠を超えて社会との繋がりを持ち始めました。
次巻は時計塔での野外上映会本番となりそうです。
今から読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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