自転車屋さんの高橋くん 1 torch comics
著:松虫あられ
出版社:リイド社
OLの飯野朋子(はんの ともこ)は会社からの帰宅途中、乗っていた自転車のチェーンが外れたのをイケメンなヤンキーに修理してもらいます。
彼の事は帰宅後、家事をするうちに忘れてしまったのですが……。
登場人物紹介
飯野朋子(はんの ともこ)
内気なOL(30)
同僚の誘いを断れず上司の軽いセクハラに文句も言えない女性。
愛用の自転車の名前はディープインパクト。
高橋遼平(たかはし りょうへい)
自転車屋さん
見た目は金髪ピアスの完全なヤンキー。
優しく押しの強いイケメン。
思った事は内に溜め込まずすぐに吐き出すタイプ。
冒頭あらすじ
OLの飯野朋子は就職後十年近く同じ会社で働いている。
朋子は三十歳、周囲には職場を辞めて行った者もおり、同僚ともそんな話をしたりする。
そんな変わらぬ日々を過ごしていたある日、愛用の自転車「ディープインパクト」のチェーンが外れてしまう。
チェーンの直し方が分からない朋子が、携帯で自転車屋を検索していると金髪ピアスの青年が鮮やかな手つきで外れたチェーンを直してくれた。
「直った」青年は一言そう言うとその場から立ち去ろうとした。
朋子は彼を呼び止めお礼を言うが青年は恩を着せる風も無くその場を後にしようとする。
朋子が圧倒されていると何かに気付いた青年は振り返り、ブレーキがうるさい事を指摘し自転車屋に持って行くよう勧めた。
それだけ言って去っていく青年を見送り帰宅した朋子は、家事をこなすうち彼の事を忘れて行った。
後日、課長の過剰なスキンシップや別の課の人達に押し付けられた仕事を残業してこなした朋子は、同棲する彼氏の家に帰る同僚のキミを見送りながら考える。
キミは頼りになる友人だが彼氏とキミが付き合ってもう七年。
そろそろ結婚もあるだろう。
結婚したらキミは仕事を辞めるかもしれない。
一人残されるのは嫌だな。
そんな事を考えつつ自販機でジュースを買っている人影を見て、自分も買おうと自販機に近づく。
しかし、買おうとしていたファンタは売り切れだった。
どうしようか悩んでいた朋子の前にファンタの缶が差し出された。
差し出したのはこの前チェーンを直してくれた青年だった。
青年はすぐに飲むか尋ね、頷いた朋子に缶を開けて差し出してくれた。
朋子が受け取ったファンタを飲んでいると、彼がジッとこちらを見ているのに気付く。
少し恐怖を感じたが青年が見ていたのは朋子の自転車だった。
彼は自転車のライトが切れている事を指摘した。
その後、ブレーキの事も付け加えウチに持ってこいと言う。
なんで彼の家にと思わず尋ねた朋子に、彼は自販機の置かれていた店舗の看板を指し示しながらオレん家これと答えた。
看板にはサイクルショップ高橋と書かれていた。
感想
人の頼みを上手く断れない朋子と思った事を躊躇しない遼平。
性格は正反対な二人ですが、心の根底に流れるモノは似ている様に感じました。
違うとすれば朋子は人の目を気にしていますが、遼平は自分の気持ちに正直で好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと意思表示する所のように思います。
硬派に見えて意外と強引な遼平が年上の朋子をドギマギさせながら引っ張って行く展開が面白いです。
まとめ
巻末に書き下ろしとして遼平の高校時代が描かれているのですが、彼の友人テルの変貌ぶりがちょっとショッキングでした。
テル……どうしてそんな……。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。