DOG SIGNAL ドッグシグナル 2 ブリッジコミックス
著:みやうち沙矢
出版社:KADOKAWA
眞一郎の店で働き始めた未祐ですが、彼の飼っているサンジュは相変わらず未祐の言う事は聞いてくれません。
眞一郎はそれは去勢前だからかもしれないと未祐にアドバイスします。
登場人物
久宝鈴之介(くぼう すずのすけ)
獣医
眞一郎と律佳、共通の友人。
腕はいいが変わり者。
藤原誠二(ふじわら せいじ)
眞一郎のかつての師匠
犬に対する方針の違いが二人の道を別つ原因となった。
あらすじ
サンジュが去勢前の生後十か月の子犬だと知り未祐は驚く。
眞一郎の見立てではサンジュは睾丸が鼠径部に引っ掛かっているのが一つ、もう一つはお腹の中に残っているようだ。
去勢すればサンジュのトレーニングも上手くいくかもと眞一郎は話すが、未祐は手術の事を考えるとサンジュの事が可哀そうに思えた。
それを見抜いた眞一郎は彼に犬の本能について話す。
犬には三つの本能がある。
一つ目は捕食本能、二つ目は危険回避本能、そして三つ目は生殖本能。
一つ目と二つ目は別の物に置き換える事も可能だが、生殖本能だけは置き換えが出来ない。
しかし未祐は自然な状態を捻じ曲げるのは人間のエゴではないかと眞一郎に返す。
未祐の言葉を受けて、眞一郎は未祐に性欲はあるのかと尋ねた。
あるに決まってると赤面しながら答えた未祐に彼は言う。
犬は半径六キロ以内に発情したメスがいれば臭いで察知する事が出来る。
人で言えば裸の女が目の前にいるのに手を出す事も許されず、興奮するなと叱られ続けるという事だ。
そんな一生が本当に幸せかと。
続けてサンジュが去勢しないのなら、トレーニングへの参加も認める事は出来ないと眞一郎は告げた。
理由は他の犬への影響が出る為だ。
あともう一つと眞一郎は言葉を続けた。
「停留睾丸は正常な睾丸とちがって将来腫瘍化する確率が高い」
詳しく知りたいなら腕のいい獣医を紹介するという眞一郎に、未祐は激しく縦に首を振った。
感想
今回はあらすじで書いたサンジュの去勢の他、構い過ぎる飼い主、眞一郎の師匠との確執について描かれました。
眞一郎の師匠、藤原誠二は体罰を取り入れたトレーニングを犬に行っています。
眞一郎はそれに反発し彼と袂を別ちました。
藤原が扱っているのは飼い主に牙を剥く様になってしまった犬たちです。
彼は自らも傷を負いながらそんな犬達を矯正する事で、殺処分されてしまうかもしれない彼らを救っています。
藤原のやり方には反発を覚える人もいるでしょうが、相手が言葉の通じない動物であるのなら仕方の無い事なのかなと読んでいて思いました。
まとめ
今回は体罰の話が印象に残りました。
藤原自身も別の方法があればそちらを使う筈です。
眞一郎や未祐がそんな方法を見つけられるのか、今後も読んでいきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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