ノケモノたちの夜 1 少年サンデーコミックス
著:星野真
出版社:小学館
永遠を生き全てに退屈している悪魔マルバスと、教会で鎖に繋がれ物乞いをする事を強要されている少女ウィステリア。
霧の町ロンドンで偶然出会った二人は、共に生きる事を選択します。
登場人物
ウィステリア・ラングレイ
悪魔を見る事の出来る目を持つ少女
孤児として教会に拾われ、食費を稼ぐ事を口実に物乞いを強要させられている。
マルバス
非常に強力な悪魔
獅子の顔に赤い鬣と角を持つ悪魔。
首から下はフォーマルな紳士風。
悪魔は人の魂を奪う事で自身の寿命を延ばせるが、マルバスは既に不老不死となっている為、魂を求めてはいない。
人とは価値観がずれている。
スノウ・ラングレイ
ウィステリアの兄
ウィステリアは死んだと思っていたが、悪魔討伐実戦部隊「剣十字騎士団」の団員として活動していた。
ずっと妹ウィステリアの行方を探していたようだ。
あらすじ
英国ロンドンの協会で暮らすウィステリアは、ある日退屈を持て余してしていた悪魔マルバスに日課の物乞いの最中話しかけられる。
マルバス自身返事を期待した行動では無かったが、ウィステリアは明らかにマルバスを認識し挙動不審になっていた。
文明が進み、科学が台頭してきた最近では悪魔を見る事が出来る人間の数は激減していた。
牧師に連れられ去っていくウィステリアに興味を抱いたマルバスは、深夜彼女の寝床である教会の屋根裏部屋を訪れる。
魂を奪う為にと慌てたウィステリアにマルバスはそれを否定し、自分を見られる人間は珍しかったから来ただけと答えた。
本当に暇つぶしだった様子のマルバスに、ウィステリアはお話をねだった。
何故と問うマルバスに彼女は牧師に殴られた傷の痛みで中々眠れないからと答えた。
それに対して何も言わず、マルバスは腰を下ろして求められるまま、彼の長い生で聞き及んだ話を求められるまま語った。
そんな日々を過ごしていたウィステリアとマルバスだったが、ある日牧師がウィステリアの買い手が決まったと告げる。
物乞いは客が商品を見定める為の顔見せだったようだ。
売られる先は地主貴族、牧師の話では子供をいたぶる事が趣味らしい。
ウィステリアは絶望しマルバスに魂を奪って欲しいと頼むが、既に不老不死を手に入れているマルバスにとって人の魂は不要の物だった。
感想
悪魔マルバスは人間の感情の機微に疎く、自分の行動についてもプライドからか暇つぶしだと嘯いています。
対価を得なければ人の要求を受ける事が出来ない彼が、どうしてそのルールを破りウィステリアを助けたのか。
マルバスはウィステリアと共にいる未来を望み、ウィステリアも彼と共に生きる事を承諾します。
人であれば完全にプロポーズと呼べるのでしょうが、マルバスは素直にそれを表現出来ません。
逆にウィステリアはマルバスの事を大事に思っているとハッキリ口にします。
彼と一緒にいる為、視力を捧げ契約をしたウィステリア。
目の見えない彼女と悪魔マルバスの旅がどうなるのか、先が楽しみです。
まとめ
マルバスはかなり強力な悪魔のようで、ウィステリアの兄の所属する剣十字騎士団に追われる感じでお話は進むのかなと一巻を読んだ時点では思われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はpixivコミックにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の星野真さんのアカウントはこちら。