師匠シリーズ 7 -失踪- ヤングキングコミックス
漫画:片山愁
原作:ウニ
出版社:少年画報社
web発の人気オカルト小説のコミカライズ版の第七巻
この巻には、家鳴り、図書館、葬式、賭け、異物、失踪、交差点の七話が収録されています。
あらすじ
ある日ウニは、友人から心霊写真めいた物をもらう。
彼はそれをオカルト全般に詳しい師匠に見てもらおうと、彼の家に向かった。
しかし、写真を見た師匠の答えは二重露光とつれない物だった。
鼻で笑った師匠の仕草が癇に障ったウニは、以前師匠が大量に心霊写真を持っていた事を思い出し、あれを見せて下さいと願う。
だが師匠はアレはここにはもう置いていないと答えた。
確かに、彼が持つオカルトに関係する物を置くにはこの部屋は狭すぎる。
何処に隠しているのかと尋ねたウニに、手にした本から覗き見る様に知りたい?と師匠は聞いた。
含みを持った言い方に不信感を覚えたが、ウニは「はい」と返答した。
すると師匠は夜まで待とうと、布団をしいて眠ってしまう。
熟睡している様で起きそうにない。
仕方なくウニも横になり、眠って夜を待つ事にした。
不意に目を覚ましたウニは、窓の外が闇に覆われている事に気付いた。
どうやら、夜まで眠ってしまったようだ。
部屋の中にはこちらに背を向けて座っている師匠の姿があった。
声を掛けるが返事は無く、その体は暗い影で出来た手に覆われようとしていた。
ウニは思わず声を荒げ師匠と叫んだ。
しかし、その声に反応する事無く、師匠の体は影に飲み込まれ闇の中に消えていく。
そこでウニの意識は覚醒した。
夢…だったのだろうか。
部屋の外は夢と同じく夜の闇が支配していた。
師匠は影に飲まれる事無く存在していた。
起きたかと声を掛けてきた師匠に、ウニは何とも言えない視線を返した。
どうしたと問う師匠になんでも無いと返す。
彼は深くは聞かず、行こうかと言う。
何処へと聞いたウニに、師匠はニタリと笑って隠れ家と返した。
感想
師匠シリーズの本編のコミカライズ版はこの巻で完結です。(外伝が電子書籍で発売されています)
以前も書いた様に、私は師匠の師匠である可奈子のファンなので、彼女の活躍が見られなかった事が少し残念です。
師匠シリーズはウニ(僕/俺)と師匠のお話が基本ではありますが、彼らから離れたお話も魅力的な物が多いです。
京介の過去に登場する間崎京子、師匠の子供時代、遠い過去の残滓の様なある教師との邂逅。
ノスタルジーと喪失感に似た感覚を感じた物語の数々を、漫画で読んでみたかったなぁ。
まとめ
この作品はこれで完結していますが、原作には漫画で描かれなかったエピソードが多数存在しています。
いつか、その作品達が漫画化、映像化されればいいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
片山さんは現在ナナシシリーズを連載されています。
作品は少年画報社の公式サイトから第一話が無料でお読みいただけます。
漫画を描かれた片山さんのTwitterはこちら。
原作者のウニさんのTwitterはこちら。