師匠シリーズ 5 -デス・デイ・パーティ- ヤングキングコミックス
漫画:片山愁
原作:ウニ
出版社:少年画報社
web発の人気オカルト小説のコミカライズ版の第五巻
この巻には、デス・デイ・パーティ、追跡、森の中、夢の鍵、跳ぶの五話が収録されています。
あらすじ
冬のある日、京介からの電話でオフ会がある事を知ったウニは、急ぎその会場であるkokoのマンションに向かった。
マンションにはみかっちや和気、伊丹等、フォーラムのメンバーが集まっていた。
部屋は飾り付けがなされ、テーブルには料理とケーキが置かれている。
どうやら今日はkokoの誕生日パーティだったようだ。
そうとは知らず、プレゼントを用意していなかった事をkokoに詫びていると、みかっちが電気を消した。
ケーキの蝋燭に火が灯される。
そこでウニはおかしな事に気が付いた。
kokoは同じ大学の三回生。
蝋燭の数は最低でも21本なければおかしい。
ケーキの蝋燭は16本。
色々考えたが、理由が分からない。
そんな事を思っていると、みかっちがバースデイソングを歌い始めた。
その歌詞は、ハッピーバースデイでは無く、ハッピー『デス』デイとなっていた。
歌い終わり、kokoが蝋燭を吹き消したのを機に、ウニは困惑気味にこのパーティについて尋ねた。
すでに酔いが回ったのか、顔の赤いみかっちが手を上げて説明を買って出た。
説明によると、kokoはとても勘が鋭く、それは未来予知と言ってもいいほどよく当たるらしい。
koko曰く、その勘は危険度が高いほど早い時期に知れるそうだ。
野良猫に引っ掻かれた時は二日前、カラスに頭を突っつかれた時は二週間前。
そしてその法則で行けば、一番危険が大きいのは彼女が死ぬ時。
kokoは自分がいつ死ぬか知っている。
その残り年数が蝋燭の数。
つまり、彼女はあと16年で死ぬ。
フォーラムのメンバーは慣れて麻痺しているようだが、初めてのウニはとても祝う気にはなれなかった。
感想
今回は、kokoこと歩く(ありく)のお話が長編で二本収録されました。
自分がいつ死ぬのかが分かると、人はどんな反応をするのでしょうか。
考えれるのは、どうにか生き残ろうと藻掻くか、自暴自棄になって無気力になる。
他には開き直って思うままに生きるとかでしょうか。
少し前に感想を書いた「やさしいヒカリ」で出てきた「メメントモリ」という言葉どおり、人はいずれ死んでしまいます。
人は生まれながらに平等では無く、唯一平等なのは時間の流れと死だけの様な気がしています。
生きる時間も人それぞれで、多分、平等なのは一秒はどんな者にも一秒という事と、どんな人もいつか死んでしまう事ではないでしょうか。
まあ、経験を経る事でその一秒も段々と短く感じる様になったりはするのですが……。
話が色々飛びましたが、言いたいのは、後悔しないように生きようと思ったって事です。
まとめ
この巻には一巻の感想で書いた、私が初めて読んだ師匠シリーズ「跳ぶ」が収録されています。
この話はオカルトというよりは、人間の感覚についての話だった様に思います。
人が感じる全ての物は、五感を通し脳で処理されたモノです。
目で見えている物も、全ては脳が見せています。
つまり、脳がいると認識すれば、その人にとってそれは本当にいるという事になるのでは無いでしょうか。
世に溢れる怪異譚には、そんな物も混じっているのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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