雪女と蟹を食う 3 ヤンマガKC
著:Gino0808
出版社:講談社
彩女と旅を続けるうち、北の彼女への想いはどんどん膨らんでいるようです。
彩女も北の優しい気遣いに魅かれているようなのですが……。
あらすじ
風邪をひいてしまった彩女を連れて、旅館に戻った北。
彼女を布団に寝かせ欲しいものを尋ねる。
彩女はためらいつつも、キスをねだった。
北は照れながらそれに応じ、二人は口付けを交わそうと寄り添う。
だが自然に重なった手に北は指輪の存在を認識してしまう。
彼女が付けているのは婚約指輪、結婚指輪では無い。
その事を北が尋ねると、彩女は顔を伏せ、あの頃が一番幸せだったからと答えた。
彩女は自分のそんな行為を、何の意味も無いと話し、指輪を外して北に抱きしめてと頼んだ。
北は彩女が切なくて悲しく感じた。
抱きしめた北に、彩女は最高の誕生日だと礼を言い、続けて、とっても優しい人と呟いた。
その言葉を聞いた北は、彩女から離れ飲み物を買って来る事を口実に部屋を出た。
彼女の言葉で北は自分が彩女を道連れにしようとした事を、改めて認識したのだ。
更に優しいと言われた事は、北の過去の行動を思い起こさせる。
自分は優しかっただろうか。
事件の後、自分は離れて行った人間を恨んだ。
恋人だったマホには、彼女の心等考えず何もしてやれなかった。
理不尽だと思ってきた事は、全て自分の行いの産物だったのだ。
その事を認識し、北は昔の自分を思い出す事に強い苦痛を感じた。
感想
この巻では北と彩女の旅に対する認識の差が埋まる事になります。
彩女が始終楽しそうだった訳、無理を押しても観光を続けた理由が読んでいくと分かってきます。
彼女の真意が分かれば、押し入り強盗である北に対して旅の当初から何故、怯える事も逃げる事もしなかったのかが納得出来ました。
彩女と物書きだという夫の関係は、まだ詳しく描かれていないので想像するしかないのですが、完全に冷え切っているのではないでしょうか。
彼女の夫は、結婚を機に彩女を見栄えのいい何かの席で隣に置いておく女として扱っていたのではと想像してしまいます。
当初は自棄を起こし死のうとしていた北ですが、彩女の真意に気付いた後、心に変化を起こしているように感じました。
まとめ
この巻の終盤、北は彩女の目的について何故なのか尋ねます。
次巻ではその辺りが描かれるのかなと読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。