猫又まんま 1 モーニングKC
作:保松侘助
出版社:講談社
古道具屋を営む縁田佐分太(えにしだ さぶんた)は最愛の妻、環(たまき)を病で亡くし陰鬱とした日々を送っていた。
そんな彼の元に野良猫の五目が久方振りに姿をみせる。
登場人物
縁田佐分太(えにしだ さぶんた)
祖父から引き継いだ古道具店を営む男
妻である環への想いが強すぎた為、彼女が亡くなった事をずっと引きずっている。
包丁が怖く料理は一切した事が無い。
環(たまき)
佐分太の妻(故人)
伊万里の香炉に宿り佐分太を見守っている。
猫又の五目の力を借りて料理の出来ない佐分太にかつて彼女の作ったレシピを渡す。
五目
猫又
佐分太の家にふらりと現れた猫の妖。
彼の祖父に恩があるようで環の願いを聞き入れ佐分太を助ける。
理をわきまえた大人な性格。
津辻(つつじ)
佐分太の昔からの友人
環の事を引きずり続ける佐分太を心配している。
本業は不動産屋さん。
福司屋(ふくしや)
佐分太の祖父とも親交のあった女性
キリっとした老齢の淑女。
環とは麻雀仲間として仲良くしていたようだ。
五目とは彼の生まれた頃からの知り合い。
渋垣(しぶがき)
骨董商
目利きの出来ない佐分太から店に回ってきた骨董を譲り受けている。
環の宿った香炉に価値を見出し手に入れたがっている。
あらすじ
妻を亡くし悲嘆にくれて過ごしていた佐分太。
彼は食事も偏りがちで、菓子パン、カップ麺、スーパーの弁当、それにビールといった生活を続けていた。
友人の津辻は心配するが包丁が怖い彼は自炊もままならず、買って来た玉子とネギはがらんとした冷蔵庫の中に入れられたままだ。
そんな佐分太のもとに以前から訪れる事のあった猫の五目が久しぶりにやって来た。
五目は環にも懐いていたようで彼女がいない事を五目に詫びながら、うちの子にならないかと佐分太は語り掛けた。
夜、半額のメンチカツ弁当に辟易してふて寝を始めた佐分太を見て、五目はそっと部屋を抜けだし仏壇に置かれた香炉に鼻を近づけた。
五目が香炉に息を吹きかけると、香炉から煙が立ち上りその煙は佐分太の妻、環の姿を浮き上がらせた。
暫くして眠りから覚めた佐分太は五目の声に導かれて台所へ向かった。
五目の乗ったテーブルの上には、葱と玉子、乾麺のうどんと顆粒だし、それに何かが書かれた紙が置かれていた。
紙を手にした佐分太は驚きで表情を変える。
釜玉うどんの作り方と書かれたそのメモの字は死んだ環の筆跡で書かれていた。
感想
全く料理の出来ない佐分太が妻の料理を求めて、怖がっていた包丁を握り料理を始めます。
登場人物は佐分太は環を引きずり、環は幽霊として佐分太を見守りつつ他の女性が佐分太に近づくのを妨害したりします。
なんというか猫又の五目が一番しっかりしている気がします。
登場する料理のレシピや作り方も詳しく書かれているので実際に作ってみたくなりました。
この巻の中では「焼きささみのマヨ和え」が意外と作るのが簡単で美味しそうでした。
まとめ
佐分太は環の事を引きずっている事プラス、男の一人暮らしという事もあり段々と私生活は自堕落になっている様でした。
環の存在を感じ取れない佐分太や津辻の行動や言動がデリカシーが無くてちょっと面白かったです。
こちらの作品はモーニング公式サイトで第一話が無料で閲覧いただけます。(20年1月現在)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。