漫画完結作品

金魚草の池(庭先塩梅 第2巻)

投稿日:2019年9月1日 更新日:

金魚金魚草の池 ビームコミックス
著:須藤真澄
出版社:エンターブレイン

須藤真澄さんの描く、庶民的な暮らしの中に不思議を織り込んだ日常系ファンタジー。
庭先案内の続編、庭先塩梅第二弾。

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各話あらすじ

この冬、こぞりて
町はクリスマスムード一色に染まっている。
少女は幼い妹をつれて、その町を歩いている。

町を歩く人たちは笑顔に溢れているが、少女は浮かない様子だ。
そんな少女を他所に妹は、お空がにこにこしてるととても嬉しそうだ。

妹に釣られ空を見上げると、雲間からおかめ顔が覗いていた。

中学生日記
桜の舞い散る季節、新しい事の始まる季節、そして花粉症の季節
二人の少女が校庭の鉄棒に寄り添い話をしていた。
二人とも新入生。
片方はこの時期よく見るマスク姿、もう片方、おさげの少女は、ゴーグルにフィルターの付いたマスクを装備していた。

彼女が完全防備なのには理由がある。
彼女は花粉を吸うと、体が巨大化してしまうのだ。

ずっとずっと、好き
テーブルの上には東京土産の定番お菓子。
上座には父親、下座には緊張した面持ちの男。
その傍らにはお盆を持ち、同じく緊張した様子の女性。
所謂、娘さんを下さいというシチュエーションだ。
一つ余りない点は、男の年齢が父親と大差ないという事だ。

地形の眠り
三人の男の前に、様々場面を映し出す球体が無数に浮かんでいる。
そこに若い男が付箋の貼られた本を抱え、飛び込んできた。
彼らの仕事は人々の眠る間見る夢を作る事だった。

氷の祈り
田んぼの側にある商店。
暑い夏には嬉しい、氷旗が掛かっている。
店先からはシャリシャリと、子気味良い音が聞こえている。

店では年代物の手回しのかき氷機で、女性がかき氷を作っていた。
店に入った少年に、その女性は言った。
うちのかき氷は、お祈りして食べると願いが叶うんだよ。

夜ふかし姫君
夏のある夜。
姉妹はベランダで線香花火を楽しんでいた。
妹は他の花火もしたいようだが。おねえちゃんは出かけるのが面倒らしく、線香花火で済ましたいようだ。

最後の一本が終わったと思った時、おねえちゃんが袋から纏められた線香花火を取り出した。
彼女が言うには、こより先に花火の付いた物は東の方の物らしい。

彼女はその纏まっている花火に火を点けた。
巨大な塊がバチバチと火花を飛ばす、不意にその塊が落ち、ベランダの床に落下すると、そこには幼い少女が現れた。

キノコの木
落ち葉の舞い散る季節、キノコ広場と呼ばれる場所に、一人の老婆が訪れた。
広場の中央には小さなキノコが一本生えていた。
冬、大きく育ったキノコに老婆を含め、三人の老人が乗っていた。
彼らはある時期になると、このキノコに呼ばれるようだ。


発酵の人
帽子屋と人形師の住む家に、一人の客が訪れる。
まるで黒い靄を纏った様なその客は、帽子屋も覚えのある浪人生だった。

東の島より西の海へ
カモメが咥えていた菊の花が海に落ちる。
その向こうには島が一つ浮かんでいた。
この島の周りには海しかなく、全てはあの日、黒い物に飲み込まれたのだ。

幻燈機9
老人が市で品物を買っている。
見覚えのある幻燈機。
彼は泥棒市が立つという噂を聞いて、この町に来たのだが、自分の持ち物を寝ている間に盗まれたのだ。

感想

今回収録された作品が連載されている頃、日本では大きな災害が起きました。
一部の作品はその事に触れています。

その作品達には、作者、須藤真澄さんの祈りや願いが込められているように感じました。

最後にこの巻で好きなセリフ
「……いつか、このボタン押さずに済む日が来るんでしょうか」
「来るさ」
「ゆっくりやろうぜ」

まとめ

今回は悲しい話も収録されていましたが、基本的にこのシリーズで描かれている物は、微笑みとささやか幸せのように思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはpixabayのHans Braxmeierによる画像です。
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