漫画完結作品

やさしいヒカリ 3

投稿日:2020年1月6日 更新日:

菜の花畑やさしいヒカリ 3 アフタヌーンKC
作:中村ひなた
出版社:講談社

都会に疲れたサラリーマンの離島での生活を描いたこの作品も、この巻で完結です。
お互い相手の事を大切に感じていながらも、それをハッキリと言葉にしない三宅と日和子の想いの行方は……。

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あらすじ

秋も終わり、季節は冬へと移り変わっていた。
そんなある晴れた日、島にテレビ局が番組の撮影に訪れていた。
綿里の喫茶店も取材の対象となり、店にアナウンサーやタレント、スタッフ達が訪れる。

客役として座っていた日和子と友人の翼芽(つばめ)達もインタビューを受ける。
島のおすすめスポットを聞かれた日和子は、カメラを向けられた事で上がってしまい、隣に郵便局が…と口にしてしまう。

それを受けて取材に訪れたアナウンサーに、色々聞かれた三宅だったが当たり障りのない事を話し殆どの部分はカットされてしまった。

後日、その番組のADだという女性が三宅を訪ねて来た。
対応に出た三宅に隠れ、若い女性と聞いた日和子と由樹は会話を盗み聞きする。

その女性、入江は旅行で何度か訪れた月輪島を気に入り、特集企画を立ち上げたそうだ。
訪ねて来たのは島に移住した三宅を見て、移住という選択肢が彼女の中に生まれたからだった。

そんな入江に三宅は仕事の事を尋ねる。
入江はテレビの仕事は好きだが、ADには体力的に限界を感じていた。
彼女はゆくゆくは島で生活したいと思っているが、仕事や家の事が分からず、移住者である三宅に話を聞きたいらしかった。

移住を決断した三宅を尊敬していると言った入り江に、三宅は自分は何も見つけていないと答える。
仕事を紹介してくれたのは友人のヤスだし、ここでの生活が続けられているのは、綿里家の人々が良くしてくれているからだ。

偶然が重なっただけと話し、参考にならない事を入江に詫びた。
その後、綿里も話に混じり、移住についてのアドバイスを聞いた入江は二人に礼を言って帰っていった。

その夜、もっとマシな答えがあった筈と悶々としていた三宅は、眠れず小腹が空いたので階下に降りた。
台所では日和子が残ったカレーを温めていた。

深夜に食事を取る罪悪感を感じつつ、二人でカレーを食べる。
食卓を囲んでいると、日名子が入江との話を持ち出してきた。

彼女は三宅は運が良かっただけだと言っていたそうだが、それは違うと話し始めた。
友人のヤスが郵便局の仕事を紹介したのも、三宅なら信頼できると思ったからだし、自分達と上手くやれたのも三宅が良い人だったから。

ただの偶然じゃなくて三宅だから出来たのだ。
だったらそれは運では無く、実力だ。
そういって三宅を見つめる日和子に、ヤスが友人だったのも、綿里家に来れたのも偶然だと思うと三宅は返した。

そうかもしれないけどと目を伏せた日和子に、でもと続けて三宅は言う。

「そう言ってくれて、ありがとう…」

笑って言った三宅に、一瞬キョトンとした日名子は、少し困った様な笑みを浮かべた。

感想

この巻で物語は完結です。

二人は随分前から魅かれ合っていた様に思うのですが、作中では好きとか愛してるの様な直接的な言葉は無く、本当に「月が綺麗ですねby夏目漱石」を踏襲する遠回りな表現で描かれています。

面と向かって好きだというのも悪くは無いですが、こういった婉曲な言い回しや表現で、徐々に二人の気持ちの高まりを描いていくのもなんか良いなと感じました。

最後のシーン。
冒頭と同じく再び春。

その景色と同じくとても柔らかで暖かい気持になりました。

作品はとても良かったのですが、個人的に私は春が嫌いです。
全部、花粉が悪いんだ。

まとめ

漫画では大げさになりがちな、キャラクターの感情表現がとても自然に描かれていて、表情から言葉に出来ない微妙な気持ちを感じ取る事が出来る作品でした。
次回作も楽しみです。

こちらの作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料で閲覧できます。(20年1月現在)
作者、中村ひなたさんのアカウントはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのAlexas_Fotosによる画像です
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