子供はわかってあげない 下 モーニングKC
作:田島列島
出版社:講談社
探偵である門司の兄、明(あき)の力をかりて朔田は父の居場所を突き止めます。
彼女は夏休みの部の合宿に合わせ、父のいる江虫浜に明と共に出向きました。
朔田の父友充と会うにあたって明は朔田に彼女とほぼ同時に依頼のあった教団の事を話し、彼女の父が教団のお金を持ち逃げしたのか尋ねて欲しいと頼みます。
あらすじ
朔田は父にどう切り出すべきか悩んだ挙句、リーサルウェポンとしてお酒の力に頼る事にした。
父にお酒を飲ませ気持ちよくなった所で聞き出そうと思ったのだ。
しかし、父は自分の力が暴走する事を恐れ、お酒を飲む習慣が全くなかった。
腹をくくった朔田は、結局真正面から父に教団のお金の事を尋ねた。
父は探偵さんに頼まれたのかと全てを察した様子で、朔田に誰にも言わない事を条件に話し始める。
結論から言えば父はお金を取っていなかった。
教団にお金に困っている人間がいてその事を超能力により知った父は、その人の為にお金を盗むタイミングで教団から姿を消したのだ。
朔田は、父がお金を取っていなかった事にホッとしながら明に電話を掛けた。
誰にも言わないと父には言ったがそういう訳にもいかない。
明に父から聞いた事を公衆電話で伝え(携帯は水没した)、家には友人の宮島の家に泊まると電話しその日は父の居候先へ帰った。
一方、そんな事を知らない宮島(朔田は彼女の携帯番号を覚えていなかった。)は朔田の家に電話をかけ彼女がまだ戻っていない事を知る。
その場は何とか話を合わせたが、自分の行動で朔田が実の父に会いに行ったことがバレるのではと彼女は不安に思う。
後日、宮島は部活に出てきた門司に、朔田の居場所を知らないか詰め寄る。
宮島は朔田が実の父に会いに行ったことが今の家族にバレ、気まずくなる事を恐れたのだ。
泣き出した宮島を見て門司は明に電話を掛けるがつながらない。
下宿先に出向くも明はおらず、結局下宿先の大家、善が取り出した土産のペナントを頼りに江虫浜に向かった。
勢いで江虫浜まで来たものの住所も何も分からない。
途方に暮れた門司は、昔明に吐かれた嘘「習字で火って上手くかけたら本当に火が出て敵を倒せる」という思い出が頭をよぎった。
ちなみに「竜」とかけば竜が出て来ると明は言って幼い門司に習字をするよう仕向けたのだった。
そんな事を思い出しながら砂浜に朔田美波と拾った良い感じ棒で書く。
書かれた字はお手本の様に綺麗だった。
その字を見ながら門司は自分は何をやっているのかと恥ずかしくなる。
照れ隠しに棒を折ろうとしていた門司の横、波打ち際の海の中から本当に朔田が現れた。
感想
下巻ではポンコツだけど、優秀だった明の活躍で持ち逃げの真相も分かり全ては何となく丸く収まります。
朔田は今の家族に満足しており、別に壊したいと思っている訳ではありません。
ただ、母は何故父と別れたのか語らず、当時五歳だった彼女は経緯を全く知りませんでした。
朔田は純粋に分からないモヤモヤを解消したかったのでは無いでしょうか。
下巻の終盤は朔田も門司も可愛くて、あーもうっ!とジタバタしたくなりました。
まとめ
上巻のまとめでも書きましたが登場人物たちが本当に可愛らしく、愛おしい作品でした。
こちらの作品はWebコミックサイト モアイで第一話が無料で閲覧いただけます。(20年1月現在)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。