波よ聞いてくれ 7 アフタヌーンKC
作:沙村広明
出版社:講談社
宗教団体「波の智慧派」に監禁事件も終わり、ミナレの番組「波よ聞いてくれ」の次なる企画は引きこもりの解決。
ミナレはADの瑞穂と共に依頼人のもとへ向かいます。
登場人物
多野衿子(おおの えりこ)
引きこもりの解決を頼んだ依頼人
ラジオネームは「さまよえる銀鱈」
引きこもっている義兄を自分の欲求の代弁者にしている節がある。
というか、話をややこしくしているのは衿子だと思う。
多野潤一(おおの じゅんいち)
衿子の義兄
衿子は父の再婚相手の連れ子の為、潤一とは血のつながりは無い。
例えのスケールが一々大きい。
多野家の中では一番まともな気がする。
多野美雪(おおの みゆき)
衿子の母
天然っぽい恋多き女。
潤一の引きこもりの原因の一つを作った。
多野沙樹(おおの さき)
潤一の妹
父親と家族旅行からの帰り交通事故に遭い死亡。
彼の記憶から考えると口は悪いが、物事の本質を捉える事に長けた人物だったようだ。(潤一の夢だからよくわかんないけど)
あらすじ
瑞穂が立ち上げた番組公式アカウントに、リスナーから引きこもっている息子を連れ出して欲しいというDMが届く。
依頼者は東区元町に棲む主婦「さまよえる銀鱈」
彼女はミナレ達が波の智慧派の報道を見て、監禁状態から逃げ出せるのなら、引きこもりを連れ出す事も出来るのではと思ったようだ。
瑞穂が主体となって企画は進み、ミナレと瑞穂は依頼者である「さまよえる銀鱈」のもとを訪れた。
出てきた女性と話しをするが、どうもかみ合わない。
どういう事か訝しんでいると、その家の娘である女性が話しかけてきた。
彼女の名前は多野衿子、主婦と偽り依頼をしてきた「さまよえる銀鱈」は彼女だったようだ。
衿子は体裁と母親に引きこもっている義兄に積極的に関わって欲しくて母親の名前を使ったようだ。
彼女の話では、引きこもっている義兄とは血のつながりは無く、義父と母が結婚して家族になったそうだ。
元々は義父、母、義兄、衿子、義妹の五人家族だったが、交通事故で義父と義妹が他界し、現在は母、義兄、衿子の三人で暮らしている。
元々、人付き合いが苦手で家族間でも、義兄は義妹としか心を開いて会話出来ないような人物だった。
それが義父が母と再婚し、衿子と義妹がいる事が多くなった事で未だに義兄は衿子に対して壁を作っているらしい。
ミナレはその引きこもりの義兄、潤一の部屋を高校時代の美少女の名前を餌に薄く開かせる。
隙間から潤一が覗いた瞬間、ミナレはドアに蹴りを入れて強引に部屋の中に押し入った。
感想
今回登場した潤一ですが、登場人物紹介に書いた様に大野家の中では一番まともな気がします。
天然系で恐ろしくマイペースな母親。(この人は自分以外に全く興味が無いような気がする)
潤一を自分の勝手な解釈で推し量り、愛情を押し付ける衿子。
読んでいるとすごく歪んでる感じがしました。
以下作中の好きなセリフ
ミナレ:女の子の名前に釣られてドア開けてるうちは、まだまだ更生の余地があるんですよ
潤一:くそっ 人を天照大御神みたいに……
ミナレ:良く喩えすぎだろ
まとめ
この巻の終盤、実際起こった地震をモデルに作中で地震が発生します。
地震等の非常時では携帯でき電池で動くラジオは、被災地では唯一の情報源になる場合もあります。
報道を担う者としてミナレ達がどう動くのか、次巻が気になります。
こちらの作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料で閲覧できます。(19年12月現在)
またコミックDAYSでは一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。