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紛争でしたら八田まで 第十巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:

イラン
紛争でしたら八田まで 10 モーニングKC

著:田素弘
出版社:講談社

仲間に誘われテロ行為を起こそうとした移民三世の青年、ユセフ。
そのテロは八田(はった)と民間軍事会社所属のマチュによって未然に防がれた。

ただ、彼らがテロ行為を起こす背景には、居場所のない移民の問題があった。
ユセフを助けたい名家の娘エロディは八田に問題の解決を頼み……。

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登場人物

アーセム・レザーイー
創和メディカルがイランで立ち上げた医療機器輸出会社、トリーディ・レザーイーの社長
黒髪無精ひげの男性。
八田の依頼人、杉村(すぎむら)の前任者によればやる気のない男。
創和はイラン進出の足掛かりとして会社を作ったが、アメリカの経済制裁の影響により事業は先細り、計画していたバイオ関連事業の展開も見込めず撤退も視野に置いている。

アナヒータ
アーセムの妻
ゆるふわ黒髪の美女。
明るくおしゃべりな女性。
大学講師。

藤原
創和メディカル海外事業部長
白髪で精力的な男性。
杉村の上司。
俳句好き。

リチャード・ガニエ
メープルピーク高校の元校長
白髪白髭の老人。
イギリスとフランスの植民地戦争、難民、先住民の存在等で多様な人種、民族の住む国カナダ。
そのカナダの多文化な性質を重視し、非効率ではあるがマイノリティを排除しない教育を推進した。

ティヴィ
メープルピーク高校の生徒の一人
黒髪でキリっとした顔立ちのイヌイットの少年。
成績は優秀。
教師たちが労働環境の改善を州政府に求め起こしたストライキ。
そのストライキの交渉にあたった州議員、ジェームス・ハーウッドが出した「適正なクラス分類」という条件が原因で、生徒たちも分断される事となり、イヌイットの彼も他のグループから絡まれる事になる。

ブレント・ハーウッド
メープルピーク高校の生徒の一人
金髪マッシュのイギリス系の少年。
成績優秀でルックス、性格共に良い学校の人気者。
イギリス系の生徒たちのサークル、ディアクレスト・クラブのリーダ。
州議員、ジェームス・ハーウッドの息子。

マーク・アンドレ・ロワー
メープルピーク高校の生徒の一人
金髪くせ毛で大柄なフランス系の少年。
フランス語しか使わないケベック人の不良のリーダー。
クラス分類の話の以降、ブレントのグループともめる事も多い。

サミュエル・トレンブレィ
メープルピーク高校の生徒の一人
赤毛そばかすで細身の少年。
英仏戦争に勝利したイギリスにより、カナダから追放されアメリカルイジアナに渡ったフランス系住民、ケイジャンの少年。
ティヴィ、ブレント、マーク、サミュエルは元々、リチャードの行うキャンプ教室に一緒に参加する仲だったが、クラス分類以降、バラバラになった。

あらすじ

貧しい移民三世の青年、ユセフ。
彼を救うために八田が考え出した方法は、エロディの実家、ブラッサンス家の力を活用してのぶどう畑購入だった。

親の七光りはうんざりと言うエロディに、八田はユセフを救えるとしても?と問いかける。

八田の言葉にエロディはユセフに視線を向け、ぶどう畑を買うのならワインの生産をするって事でしょうと返した。

ブラッサンスのブランド自体が下降している現在、新しいワインを作っても意味がない。
八田はブラッサンスの財力で畑を買うだけで、ブランドは畑自体のものを使うと言う。
しかし、現在のブラッサンスに有名な畑を買う財力は残っていないし、無名の畑ならブラッサンスの名前を使う他、販売力は補えない。

眉を寄せるエロディに八田は買うのは修道院のぶどう畑だと宣言した。
厳格な歴史を纏う修道僧が育てたブドウ。
その信頼とブランドに八田は市場価値を見出していた。

現在、修道院では自給分しか生産は行われていないが、土地は広く生産量の向上は可能だ。
ワイン生産を修道院で行い、財政難を補えば寄付に頼らずとも自立が出来る。

その生産のための人手に、ユセフたち移民を当てようと八田は考えていた。
無論、異教徒である移民を修道院が受け入れるかの問題はあるが、フランスの国是は「自由・平等・博愛」だ。
ユセフのように寄る辺なく信仰を求めた人々となら、妥協点も見つかるはず。

理想と現実。
両方を踏まえてバランスを取る。
今のエロディならそれが出来る。

「子供の頃から修道院に通い続け、黒人の夫と息子を失う失敗を経て、その後、移民の息子を得たエロディさんならね」
「……アンタ」

八田の言葉にエロディは照れ隠しである髪をかき上げるしぐさを見せた。

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感想

今回は前巻から引き続き、フランスでのお騒がせセレブ、エロディと移民の青年、ユセフのお話から始まり、イランでの杉村の依頼、カナダのハイスクールでのクラス分類のエピソードの三つが収録されました。

その中でも今回は冒頭と後半の移民の話が印象に残りました。
フランスは移民を受け入れながらも、彼らの生活は苦しいものがあるようでした。
一方のカナダでは、それぞれの民族、文化の違いから非効率化が起きているようでした。

フランスのお話は、他国から人を入れている現在の日本にも通じるものを感じました。
カナダのエピソードは将来、多くの移民を受け入れ多文化になった日本の未来に起きる問題を思い起こさせました。

ダイバーシティ、様々な人が入り乱れ多様化する事で起きる問題。
長く単一民族国家として(アイヌや沖縄等、取り込んだ文化はあるものの)存在してきた日本。

今後、この国がどうなっていくのか、少し不安を感じました。

まとめ

次回、八田はコロンビアへと向かうようです。
かなり混沌とした印象のある国、コロンビア。
そこでどんな問題が起きるのか、次回も楽しみです。

この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのMali Ancorによる画像です。
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