えびがわ町の妖怪カフェ 2 ヤングアニマルコミックス
著:上田信舟
出版社:白泉社
一緒に暮らし始めたまなと佐吉。
まなの力がそうさせるのか、彼女は次々と妖怪と縁を結びます。
不思議な者達と触れ合いながら、結構楽しく暮らしていた二人でしたが、彼女を心配して東京からまなの叔母、佳奈が訪れます。
登場人物
小袖の手
着物に残った思いが形を為した妖
今回のモノは高梨家の祖先の思いが元になっているようだ。
古川佳奈(ふるかわ かな)
まなの叔母
東京でライターをしている。
今回は親戚とはいえ、独身の佐吉とまなが一緒に暮らす事に不安を覚え、えびがわ町を訪れた模様。
ビール党。
田の神
稲の成長を見守る神様
狂言の翁の面をつけた老人。
神様らしくお酒が大好き。
彼もお供えが少ないのか飢えている。
雷様
雲に乗り雷を落とすとされる神
古くは古事記にも登場する、日本で昔から知られている神様。
この作品では親子三人で暮らしている。
あらすじ
岐阜、えびがわ町で親戚の佐吉の家で暮らし始めたまな。
豊かな自然が残るこの町には、様々な妖怪も暮らしていた。
そんな彼らと触れ合いながら、佐吉との生活にも慣れ、穏やかで優しい暮らしを楽しんでいたまなの元に、東京から叔母の佳奈が訪ねてきた。
彼女は親戚とはいえ、独身男性と一つ屋根の下でまなが暮らす事を危惧したのだ。
佳奈はその事をストレートに佐吉に尋ねる。
佐吉としてもまなとの生活を楽しんではいたが、押し付けられた形である事に変わりはなく、だったら佳奈が引き取ればいいと返す。
仕事の事を口にして言葉を濁す佳奈に、じゃあ文句を言うなと佐吉はピシャリと言った。
それに対して彼女は、佐吉がどんな人物か確認に来ただけと答えた。
佐吉はそんな佳奈に、ずけずけ言うと少し呆れを含んで返す。
そんな話を二人がしていると、まなが彼女にお水を運んで来た。
佳奈はまなにここでの生活について尋ねる。
まなは微笑みを浮かべ、楽しいと答えた。
友達が出来た事、ご飯がおいしい事等を嬉しそうに佳奈に話す。
その後、ホテルに泊まるという佳奈を佐吉は引き留めた。
彼は家に泊まってまなとゆっくり話せばいいと佳奈に告げた。
その上で、なにかあるなら連れ帰ればいいと続ける。
それを聞いたまなは、不安そうに帰らないといけないのか佳奈に尋ねた。
それに佳奈は無理強いはしないと答える。
その答えを聞き、まなは安心したのかホッとため息を吐いた。
感想
彼女が佐吉の家に留まりたい理由は、楽しいという事も有るのでしょうが、自分の存在が父母の不和の原因となっている事が大きいようです。
彼女は自分の事で言い争っている両親の姿に、心を痛めている様でした。
まなにとって存在する事が当たり前の妖怪を、両親は見る事が出来ず、親としては不安を感じるのは当然でしょう。
まなが両親のもとを離れても、優しく健気なのは両親も周りの大人も、まなに愛情を注いでいるからでは無いでしょうか。
もし彼女の事を疎んじているのなら、まなは人に対して心を閉ざしていたのではと思いました。
まとめ
今回は肉じゃが、餃子、オムライス、ナス田楽などが登場しましたが、中でもだし巻き玉子サンドがとても美味しそうでした。
この作品は白泉社公式サイトにて無料で試し読みが可能です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。