外科医エリーゼ 2 フロースコミック
漫画:mini
原作:yuin
出版社:KADOKAWA
前世であるエリーゼとして皇后になる前の状態で再度転生した葵は、以前の歴史を繰り返さない為と、本当にやりたい事は医師だったと気付いた事で皇帝に婚約破棄と医師になりたい旨を伝えます。
ですが、一国の皇太子の婚約がそう簡単に覆る筈も無く、皇帝が出した条件は六か月以内に医者として成果を上げる事でした。
登場人物
ベン子爵
皇帝の主治医
皇帝の糖尿病を見抜いた者を探している。
ランドル
皇太子の護衛
元ロイヤルナイト、暴漢に銃撃され重傷を負う。
あらすじ
皇帝の出した条件を果たす為、エリーゼは実家のクロレンス家が設立したテレサ病院で身分を隠し働き始めた。
しかし、有力貴族の後ろ盾で入ったエリーゼを指導担当のグレアムはお嬢様のお遊びだと考え、現実を見せる目的で助かる見込みの無い浮浪者たちの世話を命じる。
グレアムとしてはすぐ泣きついて家に戻る筈だと考えての事だったが、エリーゼは自分の持つ知識を用い不衛生だった患者及び病室の改善を始めた。
更に外科処置を施し患者の治療に当たっていく。
一週間後、グレアムは院長室に呼び出されていた。
ケイト子爵の推薦で入った姫君の事を聞かれ彼は放置していたのを思い出す。
自主学習だと院長には言ったが、ケイト子爵は病院の支援者クロレンス家の重鎮だ。
院長は声を荒げしっかり指導するようグレアムを叱責する。
没落貴族のグレアムは医師になる為大変な苦労をしていた。
思い付きでコネを使い突然病院に来た令嬢の事など知った事かと思っていた。
叱責を受け渋々、任せた病室に赴いたグレアムはその変わり様に驚きを感じた。
病室は見違える程清潔になり患者たちの目にも生気が戻っている。
その病室の片隅で椅子に座りうたた寝しているエリーゼを見つけたグレアムは事情を尋ねる為彼女を起こそうとした。
しかし患者の一人が彼を止める。
患者が言うには一睡もせずに自分たちの治療を続け、先ほどようやく眠った所だというのだ。
驚くグレアムに、ベテランの看護師たちも挙ってエリーゼを褒め称えた。
看護師二人は彼女の献身と技術にすっかり心酔しているようだ。
だが、本で得た知識だけでの切除手術等上手く行く筈もない。
目覚めたエリーゼに事情を聞き状態を見る為、グレアムは患者を診察した。
患部を見たグレアムの目が見開かれる。
処置は完璧で患者は快方に向かっていた。
感想
グレアムが考える様に外科処置には実際にメスを振るった経験が必要でしょう。
なんでもそうですが実際に触れてみないと分からない事は多く、知識だけでは決して上手く行かないのが現実だと思います。
更には人は生き物で工業製品の様に全て同じという訳ではありません。
個体差による違いを補い限られた時間で正しい治療方法を探るには、多くの経験が必要だと思います。
エリーゼは葵として多くの人の命を救って来た実績があり、それが物語を違和感なく展開させている様に感じました。
まぁなんにしても、正しい知識と経験に基づいて、迷いなく施術を行うエリーゼは見ていて気持ちがスカッとします。
まとめ
今回は衛生改善、患者の治療、救急医療、そして重傷者の執刀へとお話が展開しました。
次巻ではエリーゼの技術が周囲に認知されそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。