異剣戦記ヴェルンディオ 3 裏少年サンデーコミックス
作:七尾ナナキ
出版社:小学館
異剣と呼ばれる力を持つ剣を巡る拠点防衛ファンタジー、第三巻。
鬼雷の剣士と呼ばれるシュラク、元ガルド王国の騎士、サフィーアを仲間に加え、クレオ達の店、ポッフィー亭は今日も営業を続けていた。
そんな荒野の店に今日も客が訪れる。
登場人物
パールゥ
植物学者
眼鏡にお下げでそばかすの女の子。
様々な地域に赴き、その土地土地の植物を調査、記録している。
彼女の作った資料は酒場を営むクレオ達にとって非常に有益だった。
愛馬のパンナと共に調査を続けていたが、調査地の森がムンディマ新教団の縄張りになり退避する事に。
シュベル・ツヴァイク
新国家ファルカのリーダー
バンダナ長髪の異剣使いの男。
盗賊団をまとめ上げ新しい国、ファルカを作った。
危険な人物が異剣の力で大陸を支配する事を恐れ、周囲の声もあり大陸制覇に乗り出した。
本来の夢はのんびり楽しく暮らして老衰で死ぬ事。
タロウベ
新国家ファルカ、第二遊撃隊隊長
モヒカンでタラコ唇な巨漢。
クレオ達の店、ポッフィー亭を気に入り、部下を連れて度々飲みにくる様になる。
ナリア
新国家ファルカ、サブリーダー
お団子髪で釣り目の女性。
炎属性の異剣使い。
ムンディマ新教団幹部
ムンディマ新教団の七人の幹部の一人
髯で体の大きなの男。
幻術を操る異剣の使い手で精神攻撃を得意とする。
モルカナ
ムンディマ新教団創始者
目の大きなセミロングの少女。
天然ぶりっ子。
教団は当初、戦争で行き場を無くした人々の為に作られたが、信者の一人が異剣を手にした事で、暴力で全てを解決する様に変わっていった。
現在は、モルカナを殺害し彼女を神格化する事で更に教団の力を高めようとしているようだ。
あらすじ
その日、ポッフィー亭に訪れたのは植物学者のパールゥ。
彼女はとある森で研究を続けていたが、その森が物騒な噂の多いムンディマ新教団の縄張りとなった為、森での研究を諦め、以前から見つけたいと思っていた「神秘の花エリクシン」の探索に研究を切り替えた。
情報ではエリクシンは大陸中央部の大森林にあるという。
パールゥは各地で起きている戦争に巻き込まれる事を避ける為、荒野を突っ切る道を選び、ポッフィー亭に辿り着いたのだった。
ただ、その日パールゥを出迎えたのはクレオ達では無く、新たに店に加わったシュラクだった。
目つきの悪いシュラクに速攻で店を出ようとするパールゥ。
だがシュラクは彼女を引き止め、接客をサフィーアに任せた。
裏で鹿を解体していたサフィーアは、血まみれのナイフを手にしたまま、パールゥの前に現れ、余計に彼女を怯えさせる。
更に顔に傷のあるクレオが裏口から現れ、パールゥは完全にポッフィー亭が賊のアジトだと勘違いした。
そんな彼女だったが、最後に現れたコハクを見て、一瞬で警戒心を解いたのだった。
感想
今回はシュラクとサフィーアを新たに仲間に加えて、本格的に酒場として動き始めたポッフィー亭の様子が描かれました。
作中、彼らが暮らす大陸では異剣の力によって様々な勢力が台頭、この巻ではその勢力の内の二つ、五つの盗賊団をベースに新たに国家となったファルカと、薬物で信者を傀儡にし略奪行為を行い勢力を伸ばしているムンディマ新教団が登場しました。
ファルカの方は盗賊団が主体となっていながらも、リーダーのシュベルが割と常識人である事でかなりまともな国の様でした。
一方のムンディマ新教団は薬物で20万の信者を操り、村や町を襲い略奪を繰り返す、すこぶる迷惑な集団のようでした。
今回も色々物騒な事が起きましたが、作中描かれたドレスを着て踊るサフィーアとコハクの様子が、何というか平和で暖かそうで凄く良かったです。
まとめ
この巻のラスト、ムンディマ新教団が教祖のモルカナ殺害及び、クレオ達の信者化、更に拠点確保を目的にクレオ達のホームである古城に向け軍勢を差し向けました。
それにクレオ達はどう対処するのか、次巻も読むのが楽しみです。
この作品は裏サンデーにて一部無料で閲覧いただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。