KILLNG ME / KILLING YOU 2 ドラゴンコミックスエイジ
作:成田芋虫
出版社:KADOKAWA/富士見書房
隕石によりイカれた世界で、不死の二人が自らの死を求めを彷徨う物語、第二弾。
登場人物
キコ
故郷である炭鉱の村を山賊に乗っ取られた男。
盗みを重ね、それをボスに献上する事で生き延びていた。
息をする様に物を盗む。
山賊たち
ボス以外は名前が出た、仲間思いの少し間抜けな山賊。
斑鳩
隕石で記憶を失った男
剣の達人で記憶を失くした後、最初に出会った少女と生きる為に旅をしている。
蓮花
斑鳩と旅をする少女
空の植木鉢を持った体の数か所が植物化し左目から花を咲かせている女の子。
蓮花という名は斑鳩が名付けた。
喋れない。
暗殺者
『黒い太陽教』に雇われた暗殺者。
『白い月教』の修道女レアに恋をした。
それ以来彼女を守る為、殺しを続けている。
修道女レア
『白い月教』の大司教の養女。
過労により倒れた暗殺者を拾い看病した。
あらすじ
ある風の強い夜、ミーティアとユースは風から逃れる為、廃墟の村で一夜を明かす事にする。
村の中で割と綺麗な廃墟を見つけた二人は、そこで暖を取り眠りについた。
不意にミーティアが目を覚ますと空には三日月が輝いていた。
相変わらず風は強く夜明けはまだ先らしい。
ユースも風の音で起きたらしく、二人は不死や世界についてあれやこれやと話しをする。
その内珍しくユースが昔、子供だった頃の事を語りだした。
彼は子供の頃、今日の様な風の強い夜が嫌いだった。
理由はもう思い出せないが、どうせ夜のトイレが怖かったとかだろと彼は話を続けた。
そんな夜は、いつも布団をかぶって口笛を吹いたらしい。
レパートリーは少なかったが口笛を吹けば不思議と眠る事が出来たそうだ。
そう話し今日は最悪だと続けた。
寝ようとしても寝れないし口笛を吹く唇も今の彼には無い。
黙り込んだミーティアにユースは無視かよと声を掛けた。
そんなユースにミーティアは、ユース自身の事を沢山話してくれて嬉しかったと笑い掛けた。
その後、話したり眠ったりしたが一向に夜が明ける気配は無い。
ようやく二人はおかしい事に気が付いた。
これだけ話して眠っても月の位置は変わっていない。
脱出だ!と慌てる二人。
その拍子でミーティアは焚火に足をぶつけてしまう。
焚火は廃墟に燃え移り火は風にあおられ森に広がった。
瞬く間に火は燃え広がり炎は森を焼いて行く。
どうする事も出来ず逃げ出す道を探している最中、ミーティアは空がおかしい事に気付く。
月の浮かんだ夜の空の向こう揺らめく様に青い昼の空が見える。
どうやら廃墟も含め森全体が隕石の影響で夜の世界を作り出していたようだ。
徐々に夜が払拭されていく中、ユースの耳に口笛が聞こえた。
視線を向けるとミーティアが口を尖らせヘタな口笛を吹いている。
「唇はすぼめるだけでいいんだよ。…ま、練習すりゃ旅が終わる頃にはちったぁマシになんじゃねぇーのか」
ミーティアのヘタな口笛を道連れに二人の旅は続いていく。
感想
今回は、あらすじで書いた明けない夜の話の他、盗賊と山賊、桜の木の下には、黒い太陽教と白い月教の話が描かれました。
盗賊のキコと剣士斑鳩達は今後、再登場しそうなキャラたちでした。
この巻のラストのお話、黒い太陽と白い月は少し悲しく切ないお話でした。
登場人物の暗殺者は幼い頃に暗殺集団に売られ暗殺以外は出来ない男です。
作中、彼自身が言っている様に白か黒では無くグレーでもよかったのではと考えてしまいます。
まとめ
今回は感想に書いたように今後再登場しそうなキャラが三名登場しました。
まぁ、一巻で登場したドラゴン「エル・シエロ」や「迷宮の番人」も出て来そうではあるのですが……。
この作品はComic Walkerにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の成田芋虫さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。