アルテ 2 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが、画家であるレオの弟子として、画家を目指す物語。
レオに恋をしてしまったアルテは、仕事に身が入らず叱責されてしまいます。
アルテを気に入り肖像画の依頼をした高級娼婦のヴェロニカは、彼女が恋をしていると知りアルテをある場所に連れ出します。
冒頭あらすじ
ヴェロニカがアルテを連れて訪れた場所では、最下級の娼婦が客をとっていた。
その娼婦はかつては高級娼婦だったが、恋をしたことにより転落したのだ。
女が一人で生きるには恋をしている暇はない。
ヴェロニカの言葉に気を引き締めるアルテだったが、客を傷付けるような行動をとるヴェロニカに反発心も抱いてしまう。
その後、パン屋の店先での諍いで、アルテは仕事の対しての接し方を改めて考えなおした。
アルテは客を傷付けるヴェロニカのやり方は認められないが、彼女が一人で生きるためしている膨大な努力については尊敬していると面と向かって話す。
ヴェロニカは、思っていた事を全て吐き出したアルテにそういう所好きよと笑った。
彼女は家族の生活を全て一人で支えていた。
その笑顔の裏にどれだけの事を隠しているのか。
アルテは人を傷つける彼女の生き方は肯定できないが、彼女のように強く生きたいと思った。
感想
この巻ではヴェロニカ以外にも、アルテと同じく画家の弟子であるアンジェロ、針子のダーチャにもスポットが当てられます。
アンジェロの話では、アルテが女性であることへの差別とアンジェロ自身が女性に抱いていたイメージが描かれ、ダーチャの話では元貴族であるというアルテに対するダーチャの嫉妬が描かれます。
そのどちらも、アルテは行動により覆していき二人の考え方も変えていきます。
負けず嫌いで素直な彼女の行いが出会った人を変えていく様子は読んでいて楽しいです。
まとめ
二巻は画家の仕事だけでなくアルテが暮らす16世紀、フィレンツェでの庶民の暮らしも描かれました。
華やかなイメージのあるルネサンス時代ですが、庶民の暮らしは大変だったようです。
お読みいただき、ありがとうございました。