KILLNG ME / KILLING YOU 1 ドラゴンコミックスエイジ
作:成田芋虫
出版社:KADOKAWA/富士見書房
成田さんの作品「IT’S MY LIFE」にもチラッと登場したミーティアとユースのお話です。
登場人物
ミーティア
星の欠片を頭に受け不死になってしまった少女
隕石で周囲は吹き飛び一人ぼっちになってしまったが、長い旅の果てに同じく不死の男ユースアネイジアと出会う。
自らの死を求めユースと旅を続ける。
ユース(ユースアネイジア)
異形の右手と頭部を持つ不死の男
触手の様な腕は焼くとイカの様な良い香りがするらしい
覆面で隠した頭部は柔らかくデリケート
エル・シエロ
隕石により不死となったドラゴン
イッツマイライフに登場したゴアゴアに似ている。
ゴアゴアと違い喋る事が出来る。
迷宮(ダンジョン)の番人
潜っていた迷宮が不死化した為、死ななくなった男
キャラ的にお家大好きおじさんと似ている。
ミステリア
イッツマイライフにも登場した、奇妙なヌイグルミに命を吹き込む女性。
あらすじ
ある時降り注いだ隕石。
それはミーティアの頭に突き刺さり、彼女は死ねなくなった。
家の周囲は隕石の衝突で吹き飛び、一人ぼっちになった彼女は当てもなく世界を彷徨う。
そしてある時、自分と同じく不死の異形ユースアネイジアと出会う。
二人はそれ以来、自らに死をもたらすものを探し、隕石でおかしくなった世界で旅を続けている。
今日はユースが見つけた、三途の滝と呼ばれる自殺の名所へやってきた。
断崖を落ちる激流の流れる滝だ。
だが、普通の人間なら死ぬだろうが、滝に落ちたぐらいで自分たちが死ねるのだろうかとミーティアは疑問を口にした。
それにユースはこの滝もオレたちと同じだと説明した。
この滝も隕石の影響で、変わってしまったらしい。
ユースが言うには必ず死に導く場所という事だ。
怖気づいたかと問うユースに、んなわけあるかぁとミーティアは滝に飛び込んだ。
飛び込んで暫くするとおかしな事に気付く。
ずっと落ちているのに、一向に滝つぼに辿り着かない。
気が付けば、先に飛び込んだ筈なのに横をユースが並んで落ちている。
どういう事と慌てるミーティアにユースは冷静に、この滝は無限ループになっていると話した。
その証拠に、真横に滝から突き出しでいる岩が一向に動かない。
結論としては、二人は死ぬ事も出来ず、激流に体を削られながら、永遠に生き続けなければならないという訳だ。
青ざめるミーティアに、ユースはだから助けに来たと話し、その体を抱きしめた。
そして自分の触手に変化した右手を滝の外へ伸ばす。
ユースの力でなんとか滝から脱出できたミーティアは、彼になんで助けたのか聞いた。
彼とは偶々目的が重なっただけの、いわば他人だ。
危ない橋を渡らずとも、見捨てればいいだけの話。
そう尋ねたミーティアに、もう他人じゃないと返す。
「やっと出会えた不死者だぜ、そりゃ助けるだろ。
大事な相棒だからな」
相棒だと思っているなら、なぜ自分の事を話さないのとミーティアは問う。
ユースは彼女がずっと喋っていて話す隙を与えないからだと返す。
長い旅になりそうだから、お互いの事は嫌でも分かるとユースは言う。
それを肯定し、ミーティアは彼に手を差し出した。
異形の手を握り、ミーティアは「相棒…か…なんか…いいね」と微笑んだ。
感想
家族を失い、一人で生きてきたミーティア。
恋人の生死が分からないまま、変わってしまった自分の体を気にして彼女を探す事を躊躇しているユース。
二人は不死の肉体を持ちながら心は人のままです。
作中、ミーティアは世界は変わってしまったけれど、それは表面上の事で中身は何も変わっていないと話します。
彼女の言葉は真理の様な気がします。
よくYouTube等で動画を見るのですが顔の見えない人々の作品をみる内、続けて見ている物はその人の人柄が好きで見ている様に思います。
Vtuberの方たち等は容姿は自由に選べる訳で、本質的な人の魅力というのは容姿ではなく中身だなぁと最近特に思います。
まとめ
この作品には、イッツマイライフに登場したキャラも時々登場したりします。
完全に同一人物という訳では無いですがなじみ深いキャラクターが出て来ると嬉しくなります。
この作品はComic Walkerにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の成田芋虫さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。