そのへんのアクタ 2 ヤングアニマルコミックス
著:稲井カオル
出版社:白泉社
宇宙生物イズリアンの襲来が日常になった世界。
かつて英雄だった駆除隊隊員の芥(あくた)はチームプレイが出来ない事で比較的イズリアンの襲撃が少ない鳥取支部に飛ばされる。
平和な鳥取支部で人間性を少しずつ取り戻していた芥だったが、久しぶりにイズリアン撃退に出た彼の武器、イズショット(パイルバンカー)には作動不良を起こすよう細工が為されていた。
登場人物
西山(にしやま)
駆除隊隊員
短髪眼鏡の男。
芥のイズショット動作不良について調査を行った。
人間拡声器、イズリアン襲来前はSNSのフォロワーが4万人だったらしい。
藤田(ふじた)
駆除隊隊員
芥が鳥取支部に来た事で隊長の桐生(きりゅう)が辞める事になったと思っており、それが原因で芥を嫌っている。
坪倉まり(つぼくら まり)
駆除隊隊員
黒髪ポニテの姉御肌の女性。
美山(みやま)
駆除隊支部に併設されたレストランで働く女性。
恰幅のいいザ・おばちゃん。
桐生日向太(きりゅう ひなた)
鳥取支部駆除隊元隊長
ハンサムで優しい好青年。
駆除隊が設置されていない場所を救いたいと、芥の移動を機に駆除隊を辞めた。
野村(のむら)
鳥取支部、事務員
糸目ショートの女性。
隊長の桐生と副隊長の百福(ももふく)に救われた事で、彼ら二人を至高の存在としてアイドル的に信奉している。
ミコ
駆除隊の隊員であるバルサに良く似た犬
桐生が飼っている。
カヤ
お好み焼き屋「ひっつきもっつき」で働く女性
ロングヘアーをお団子に纏めた女性。
あらすじ
芥の近接型イズショット(パイルバンカー)には細工が為され、杭の射出が出来なくなっていた。
しかし、芥はそのイズショットを打撃武器として使用し、百福たちも攻撃に加わった事でイズリアンを撃退する事には成功した。
ただ、問題は誰がイズショットに細工をしたのかという事だった。
恐らく犯人は基地内の人間。
そんな状況の中、改めて芥の歓迎会を行おうと古賀と足立が提案する。
話を聞いた芥は自ら支部長の下を訪れ、許可を取り付けた。
その後、足立は隊員達に出席を打診するが、隊員の中の一人、藤田はあからさまに出席を拒んだ。
彼は以前隊長だった桐生が送別会も無く駆除隊を去ったのに、芥の歓迎会が二度も開かれる事に強い不満を抱いていた。
感想
今回は鳥取支部駆除隊の元隊長、桐生と百福の過去、足立とボランティア、牛骨ラーメンと銭湯、イズショット動作不良事件の真相、桐生と百福と芥等が描かれました。
今回も終末世界での何気ない日常が描かれました。
そんな中で印象に残ったのは元隊長の桐生の事でした。
彼は隊長時代、熱血漢で明るく優しい皆に慕われる男という役割を演じていました。
しかし、本当はかなり無理をしていた様です。
周囲から期待され必死でそうなろうと努力する。
そんな無理をした状況で、自分に代わる存在である芥の登場は彼にとってとても良い逃げ出す口実だったようです。
コメディタッチな作品ですので悲壮感は全くなかったのですが、逃げ出した桐生はかなり辛かったんだろうなぁと読んでいて思いました。
まとめ
隊員達の中で色々引っ掛かっていた元隊長、桐生の事。
それもなんやかんやで解決しました。
次回はどんな日常が描かれるのか、読むのが楽しみです。
この作品は白泉社公式サイトにて無料で試し読みが可能です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。