山怪 コミカライズ版 壱 阿仁マタギの山 ボーダーコミックス
漫画:五十嵐晃
原作:田中康弘
出版社: リイド社
こちらは原作者、田中康弘さんが秋田県北部、現在は統合され北秋田市になった旧阿仁町の人々から聞いた不思議な話を纏めた本「山怪」のコミカライズ版です。
漫画を描かれたのは水墨画家の五十嵐晃さん。
現代版遠野物語というべきお話を、五十嵐さんの筆が描き出し、まんが日本昔ばなしの様な雰囲気で、山の怪異を知る事が出来ます。
作品概要
基本的には阿仁のマタギに聞いた、不思議な話が一話完結で描かれています。
旧阿仁町はマタギ発祥の地であり、今も猟師さんが多く暮らしているようです。
そんな彼らに話を聞き纏めた本が「山怪」です。
狐、狸、蛇などの他、正体のよく分からない怨霊的な物、臨死体験の様なお話等、様々な山にまつわる怪異が収録されています。
感想
作品はマタギから聞いた話ではありますが、現在の日本では純粋に狩猟のみで生計を立てる事は難しく、作中登場する方たちは兼業で狩猟に携わっている人達のようです。
やはり年配の方が多いようで、幼少の頃のお話等は時代を感じる物もありますが、チェンソーや車等、文明の利器が登場するお話も収録されています。
読んで感じたのは、今も昔も、山は人の領域では無く、動物や自然が支配しているのだなという事でした。
姿を消す池、編み機を持った美女、土管と間違える程大きな蛇。
悪戯レベルの物から生死に関わる物まで、お話は多岐にわたります。
一度体験してみたいなと思う反面、祟られたりするのはちょっとと尻込みしてしまいます。
まとめ
冒頭で書いた様に、墨と筆で描かれた絵が昔ばなしの世界に迷い込んだ様な気分にしてくれます。
この作品はコミックボーダーにて一部無料で閲覧可能です。
原作者の田中康弘さんのTwitterアカウントはこちら。
漫画担当の五十嵐晃のTwitterアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。