妻、小学生になる。 1 芳文社コミックス
作:村田椰融
出版社:芳文社
十年前、妻を亡くしそれをずっと引きずっていた新島圭介。
家庭は暗く沈み、一人娘との会話もほぼ無く、夕食はコンビニ弁当二人黙って食べるような日々だった。
そんな彼の家にある日小学生の女の子が訪ねて来る。
彼女は自分を死んだ彼の妻だと名乗った。
登場人物
新島圭介
サラリーマン
妻を事故で亡くした男。
ごく普通の40代男性。
現在は娘とマンションで二人暮らし。
一つ上げるとすれば、妻の貴恵を死ぬ程愛していた。
新島貴恵/白石万理華
圭介の元妻
十年前、交通事故で死亡し生まれ変わった。
圭介の家、つまりかつての自分の家を見た事を切っ掛けに前世の記憶を取り戻した。
現在は小学四年生、白石万理華として小学校に通っている。
家庭に問題あり。
新島麻衣
圭介の娘
専門学校を卒業後、就職するも職場に馴染めず退職。
その後は在宅ワークをしながら暮らしていた。
守屋好美
圭介の部下
圭介に好意を持っている。
あらすじ
冴えない中年サラリーマン、新島圭介の元に突然小学生の少女が訪ねて来る。
少女は自分を彼の妻だと宣言した。
困惑した圭介は彼女を娘と二人暮らしの家に入れ取り敢えず話を聞いてみる事にした。
少女の主張に唖然とする圭介と娘の麻衣に彼女は家族しか知り得ない話を次々に語る。
自分でもよく分からないが輪廻転生という奴ではと少女は話す。
圭介は信じられないと呟きながらも、話云々では無く口調と雰囲気が自分が愛した妻と同じだと強く感じた圭介は、少女が妻の貴恵であると断言した。
それに少女はにっこりと笑みを浮かべた。
そしておもむろに現在の二人の食事(その日の二人の夕食はコンビニ弁当)に雷をおとし麻衣の現状について小言を述べた。
ひとしきりお説教をした後貴恵は現在の家に帰る事にした。
去り際、彼女は言う。
こんな形だけど、本当はみることのできなかったはずのあなたと麻衣の成長を今後も見られることが…。
正直……めちゃくちゃ嬉しいわ。
それじゃ、また来るわと言い残し彼女は二人の家を後にした。
彼女を見送った圭介と麻衣は顔を見合わせ噴き出す。
笑いながら麻衣は言った。
お母さん、小学生になってもお母さんじゃん!
感想
突然、交通事故で妻を亡くした圭介。
彼女の生前、圭介は勿論貴恵を愛していましたが、彼女が亡くなった事で自分がどれだけ貴恵を愛していたか再認識したのではないでしょうか。
それは麻衣も同様で、貴恵がいなくなり開いた穴を埋められず二人は色の無くなった世界で生きていた様でした。
モノトーンだった紙面が貴恵が訪れた事で突然色を帯びた様に読んでいて感じました。
圭介と貴恵。
四十代のおじさんと小学生が今後どの様になっていくのか続きが楽しみです。
まとめ
いて当たり前だと思っていた人が突然いなくなる。
誰にでも起こり得る事で、それは特別な事ではありません。
この作品を読んで改めてその事を感じました。
こちらの作品はピッコマでも一部無料で閲覧できます。
作者の村田椰融さんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。