波よ聞いてくれ 3 アフタヌーンKC
作:沙村広明
出版社:講談社
光雄(みつお)に別れを告げたミナレ。
ディレクターの麻籐(まとう)は彼女の別れをラジオドラマにする事で、光雄への想いを埋葬しろと彼女を煽ります。
登場人物
沖進次(おき しんじ)
ミナレと同じアパートに住む男
霊障的なモノと、酔っぱらって度々部屋を間違えるミナレに悩まされている。
茅代まどか(ちしろ まどか)
MRSの看板DJ
FM放送におけるリスナーが理想とする声の持ち主。
ドS、酒癖悪し。
あらすじ
富士の樹海。
雨の中で二人の男女がスコップを握り穴を掘っている。
男は女が殺してしまった、恋人の後始末を頼まれたのだ。
死体処理における雨によるデメリットや、恋人を殺した理由を話しながら、二人は穴を掘り女の死んだ恋人を埋めた。
何故かそんな状況で、女は色欲が高まり男を誘う。
二人は帰りにホテルによる事にして、樹海を去ろうとする。
だが女が少し目を放した間に、男は右手だけを地面から突き出し、樹海の大地に埋められていた。
その右手の向こう、死んだはずの恋人が土の中から這い出して来た。
という冒頭を経て、ラジオドラマは進んでいく。
物語は樹海の下に棲む、輪廻転生を司る浅間大神(あさまのおおかみ)の化身がやたらと北欧スウェーデン(福祉が充実している)に転生させようとするなか、ミナレの啖呵で終了した。
感想
第二回の企画はラジオドラマ。
某映画の様なお手製SEが満載の、ホラーなんだかSFなんだかよく分からないお話でした。
ラジオドラマは個人的にとても好きで、特にホラー等は自身が考える一番怖いと思える場面を脳内で再生してくれるので、映画の様に映像が用意された物よりも恐怖感が強い様に感じます。
作者の文体が自分にマッチし頭の中で場面を想い描けるなら、エンターテイメントとして最上なのは文章だと私は思っています。
映像作品になると、出来上がった絵は監督の思い描いた物になるでしょう。
文章と映像の中間、場面をSEが補完し、演者の声が登場人物の感情を補ってくれる。
エンターテイメントとして丁度良いバランスを持った物、それがラジオドラマだと思います。
まぁ、物語が面白ければ何でも好きなのですが…。
以下好きな作中の会話
ミナレ:私は昨日……一度死んで生まれ変わったから。
中原:……は?
ミナレ:だからぁ昨日までの私を鼓田ミナレだとすると、今日からの私は……鼓田・ネオ・ミナレ!!
分かりやすく言えば……あれよ。
8.1から10へ……みたいな。
まとめ
第二回目のラジオドラマでオカルトに振ったのが原因で、三回目はオカルト経由の謝罪となりました。
次巻は茅代の絡み酒からスタートです。
こちらの作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料で閲覧できます。(19年12月現在)
またコミックDAYSでは一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。