焼いてるふたり 7 モーニングKC
著:ハナツカシオリ
出版社:講談社
健太(けんた)の実家である那須(なす)に向かった二人。
健太の家族にマッチングアプリで出会った事が言えず、悶々としていた千尋だったが、健太の母、昭江(あきえ)と妹の優子(ゆうこ)と一緒に出掛けた足湯で二人にアプリで健太と出会った事を告白。
特に気にした様子の無い昭江達に千尋はホッと胸を撫でおろす。
一方、健太は友人の結婚式でファーストキスの相手、先輩と再会し……。
登場人物
先輩
健太のファーストキスの相手であり、彼に女性への苦手意識を植え付けた人物
ショートカットでたれ目の女性。
現在は結婚して一児の母。
あらすじ
健太は再会した先輩と一緒に、喫茶店のウッドデッキで向かい合っていた。
気まずい相手と何で喫茶店に!? 千尋さん助けて……!!
テンパる健太に先輩は結婚したんだねと話しかける。
見れば彼女の薬指にも指輪が光ってる。
「先輩も……」
健太の言葉にうなずき、六年前に結婚したこと、五歳の子供がいる事を彼女は話した。
「来年、小学校ですか?」
「うん、そう……」
「「……」」
会話は止まり気まずい雰囲気になるなか、先輩はゴッとコーヒーを飲み干し、健太にごめんなさいと謝罪の言葉を告げた。
「ずっと謝りたかったの」
あのころ、先輩の友人が彼氏とキスしたと聞き、恋人がおらずそういう事に興味のあった彼女は、健太が自分に好意を持っていた事を利用し口づけを交わしたのだった。
その後、健太に自分のことが好きかと問われ、自分のことしか考えていなかったと気づいた彼女は、怖くなり逃げだしたのだ。
当時を振り返りすごく傷つけたと後悔していた先輩は、再度、ごめんなさいと続けた。
それを聞いた健太はそっかと微笑みを浮かべた。
当時は傷ついていたが、話してくれたことですっきりした。
自分の気持ちを素直に伝える事は怖いが、大事なことなんですよね。
そう思えるようになったのは、結婚してからだ。
そう話す健太にホッとしたように微笑みを浮かべ、先輩は幸せなんだねと問いかける。
「はい!」
先輩の問いかけに健太は力強く答えた。
感想
今回は冒頭、先輩との再会から始まり、言いたい事が言え、聞きたい事が聞けてすっきりした二人、しいたけのマヨネーズ焼きとサイコロステーキ、健太と父親とスナック、帰宅と鴨鍋、こたつと千尋、莉奈(りな)の恋愛相談、フリーペーパーとたい焼き、ベーコンとちぢみほうれん草、健太の友人戸田(とだ)と千尋のせんぱ伏見(ふしみ)の恋、クリスマス前夜と二日酔いなどが収録されました。
今回はその中でも、冒頭の先輩の話が印象に残りました。
学生時代、周辺で恋人が出来始めると焦りを感じる。
恐らく先輩もそんな風に感じ、健太とキスをしたのではないでしょうか。
ただ、そんな身勝手な行いに後ろめたさを感じていたんじゃないか。
エピソードを読んでいてそんな風に感じました。
周りに取り残されないように恋人を作り、恋愛をする。
ただ、なりふり構わず作った関係は長続きしないようにも感じます。
健太と千尋のように、波長の合う相手を見つける事。
それが一番じゃないかな、そんな事を思いました。
まとめ
次回は今巻のラストからの続き、クリスマス、そして年明けお正月など冬休みの様子が描かれるようです。
健太がおもちをどう料理するのか、次巻も楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。