雪女と蟹を食う 2 ヤンマガKC
著:Gino0808
出版社:講談社
金を奪う為襲った人妻、雪枝彩女(ゆきえだ あやめ)。
その美しい人妻と、何故か北海道へ蟹を食べに行く事になった男、北(きた 偽名)のお話です。
あらすじ
人妻と犯罪者。
決して結ばれる事は無いと分かっていても、北は彩女に魅かれていた。
日光を出た二人は、福島県に入った。
郡山で食事を取っていると、彩女が北の服を凝視している。
彼女は北の服が気にいらないようで、北と共にショップを訪れた。
彼女が持ってくる服は若者向けで、北には少しハードルが高い。
そこで、ショップにあった、過激な水着を彩女が着るならと交換条件を出す。
彩女は頬を赤らめ、かなりためらっている様子だ。
今まで彩女に振り回されてきたが、主導権を握れると北は内心ほくそ笑む。
しかし、彼女はその水着を購入し、午後の予定を変更して猪苗代湖へ向かうと言い出した。
北は彩女の水着姿に満足感を憶えながら、彼女が購入した派手な水着を着て、やはり手玉に取られていると感じるのであった。
感想
彩女との旅は楽しく、喜びに満ちていました。
しかし、その喜びが大きいほど、彩女を愛おしく思えば思うほど、やがてこの旅は終わってしまうという事を、北は痛感します。
閉塞感の有る現実、決して叶わない恋。
そして肉体的な繋がり。
上げるとドロドロした物語になりそうなテーマばかりですが、読むと感じるのは何故か爽やかさなのが不思議です。
北の純粋さと、旅を心から楽しんでいる様子の彩女の仕草、そして描かれる美しい風景、それらがこの物語を昇華させている様に感じます。
まとめ
冤罪で犯罪者として扱われた北の過去、また彩女も夫に対して恐怖を感じている様でした。
お互い心に秘密を抱えたまま、二人の旅は続きます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。