相続探偵 2 イブニングKC
原作:西萩弓枝
漫画:幾田羊
出版社:講談社
シングルマザー城丸葉月(じょうまる はづき)。
勤めていたラーメン屋がつぶれ、店の寮からも追い出された彼女は、灰江(はいえ)たちの勧めで飛び出した鎌倉の実家を頼る。
しかし反対を押し切り結婚した事、夫が教え子と無理心中した事で疎遠だった彼女が家に帰ると両親は三ヶ月前に交通事故で亡くなっていた。
その際、葉月は兄の足高(あしたか)から家の相続についての話をされる。
実家にはボケた母の散財で現金は無く、あるのは土地と古く痛んだ倉と屋敷だけ。
足高はその屋敷の維持費を持ち出し、葉月に相続を放棄するよう持ち掛ける。
生活に困窮していた葉月は、家は売らず足高が維持するという言葉を聞き家の相続を放棄した。
しかし後日、その事を灰江に話すと、不動産サイトで実家が売りに出されている事を令子(れいこ)が突き止めた。
葉月は話が違うと灰江達と共に鎌倉にある葉月の実家へ向かい……。
登場人物
赤羽桂(あかばね かつら)
IT関係のプログラマー
小太りのおじさん。
大学の恩師、教授の伊予島彰(いよじま あきら)に貸した研究費用500万円の事で灰江の事務所に相談に訪れる。
伊予島彰(いよじま あきら)
大学教授、故人
AIを使った画期的な検索エンジンプログラムを開発していたが、完成前に他界する。
赤羽の知る伊予島は誠実で真面目だった模様。
伊予島英徳(いよじま ひでのり)
伊予島彰の息子、45歳
ギャンブル好きのフリーター。
父の彰には莫大な借金があったと返済を迫った赤羽に話し、相続を放棄すると告げる。
伊予島正尚(いよじま まさなお)
伊予島彰の息子、42歳
キャバクラ、ガールズバー好きのフリーター。
兄の英徳と同じく相続を放棄すると宣言している。
鬼頭倫三(きとう みちぞう)
大国生命 社長室付き特務担当係長
白髪丸眼鏡のおじさん。
亡くなった若手実業家島村武三(しまむら たけぞう)の保険の受取人、妻の島村紗流(しまむら さりゅう)の調査を灰江に依頼する。
島村武三(しまむら たけぞう)
43歳の事業家
心臓麻痺により他界。
島村紗流(しまむら さりゅう)
島村武三の後妻
武三のみならず幾度も高額な保険金を受け取って来た過去を持つ。
恵蒜真琴(えびる まこと)
武三の娘
黒髪ショートの毒舌少女。
父、武三に捨てられ苦労した母を不憫に思い、鬼頭と共同で灰江に依頼をだした。
あらすじ
朝永の情報で足高が投資家として成功している事が分かり、その上で葉月との約束を破り家を売りに出していた事も判明した。
それを問い質す為、葉月は灰江と令子と共に足高の待つ鎌倉の屋敷へと向かう。
足高と対面した灰江は彼が吐いた嘘、莫大な補修費用の事や、葉月に家は売らないという契約をする前に不動産サイトに登録していた事を持ち出し、詐欺に当たる事を指摘。
足高は負けを認め、家を売却した金を葉月と折半する事を提案した。
しかし葉月はその提案を拒否。
「この家だけは先祖代々手放してはならない、ずっとそう言われて来た」
葉月は約束は破る訳にはいかないと静かに、だがしっかりと言い切った。
感想
今回は前回から引き続き、シングルマザーの葉月とその兄、足高の屋敷相続問題、大学教授の息子達の相続放棄、保険金殺人の疑いのある女の調査、その始まり等が収録されました。
今回はシングルマザー葉月のエピソードが印象に残りました。
彼女の兄、足高は昔から葉月を愚図で駄目な人間だと蔑んでいました。
そんな足高は頑なに家を売る事を拒む葉月の排除を考えます。
自分の利益の為なら身内であっても消す事を厭わない。
何となくですが、お金の為に他者に犠牲を強いる一部の人々の事が、エピソードを読んでいて思い浮かびました。
まとめ
次回は保険金殺人の疑いが濃厚な女、島村紗流に灰江達は接近する様です。
結婚した相手が次々と事故死や突発死を迎える危険な相手に、灰江達がどう挑むのか、読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。