ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》上
著:蝸牛くも
画:lack
出版社: SBクリエイティブ GAノベル
ゴブリンスレイヤーの蝸牛くもさんが綴る、迷宮踏破の物語。
ゴブリンスレイヤーで語られるより前の時代。
本編に登場する大司教、彼女が駆け出しだった頃、世界は死の影に覆われ、その元凶が迷宮にあると分かり、王は大元を封じよと命を下します。
これはその「死の迷宮」に挑んだ六人の冒険者の物語です。
登場人物・冒険の舞台
君:侍
湾刀を扱う只人の戦士
人の事情には踏み入らない、話したいなら聞くというスタンス
作中、鍵括弧付きのセリフは無い
女戦士:戦士
槍使いの只人の戦士
名前は数字、メンバーの中で唯一迷宮に潜った事がある
ショートカットのお色気姉さん
女司教:司教
過去の冒険で目に傷を負った
その件でゴブリンに対してトラウマを抱えている
鑑定が出来る、また優秀なマッパー
冒険に失敗した為か自信に欠ける
従姉:魔術師
只人の魔術師
“君”の従姉、彼と共に城塞都市にやって来た
後方から指示を飛ばす一党のブレーン
小柄で巨乳、優しい
半森人の斥候:斥候
半森人の斥候
“君”とは城塞都市に着く前に知り合った。
罠探知、鍵開け等を担当する
関西弁、パーティーのムードメーカー
蟲人僧侶:僧侶
蟲人族の僧侶
歯に衣着せぬ物言いの男、でも良い人
なんかギチギチ言ってる
舞台:死の迷宮
城塞都市の地下に広がる迷宮
数多くの冒険者が挑み、自身の成功を夢見ながら灰になった
冒頭あらすじ
冒険者になる為、魔術師の従姉、旅の途中で出会った半妖精の斥候と共に城塞都市に辿り着いた“君”は、そこで瞳に傷を負った司教の少女と出会う。
死の迷宮と呼ばれる地下迷宮に潜るには、人数が足りない。
“君”はその司教に一党に入らないかと声をかける。
その後、寺院で仲間を失った女戦士。
闘技場で蟲人の僧侶を加え、“君”は死と栄光の待つ迷宮へと足を踏み入れた。
主人公“君”の目的は、死の源である、最下層に潜む者の素っ首を叩き落とす事だ。
感想
語り口はゲームブック、内容はウィザードリィ。
読んだ感想は…、最高です。
彼らの初めての冒険が、自身の記憶と重なり、暗い迷宮を彷徨っていた日々を思い起こさせます。
彼らが初めて迷宮に潜った時の挿絵は、ゲームをプレイした人には堪らないと思います。
右を向き進んで、左の扉を開け、出てきた正体不明の敵に魔法を浴びせる。
前衛が殴って敵を倒し、出てきた宝箱を漁る。(ゲームでは罠が怖いので開けませんが…)
そして帰還の道中で、ワンダリングモンスターに襲われる。
なにか嫌な記憶が蘇りそうになりました。
主人公の“君”はエリート職の侍です。
武器での戦闘は勿論、魔術も本職には及びませんが扱えます。
ですが侍も、駆け出しの頃は普通の戦士より飛び抜けて強い訳ではありません。
迷宮では資質よりも経験がものを言う。
それはこのお話でも変わり無いようです。
ウィザードリィというゲーム。
特に一作目の狂王の試練場をプレイしていれば、より楽しめるとは思いますが、未プレイでも十分楽しい作品だと思います。
上巻で好きなセリフ
「女子供に、一人は鑑定か。本気なのかね」
まとめ
上巻という事で物語は完結してはいませんが、引き続き彼らの冒険を楽しんでいきたいと思います。
この作品はガンガンオンラインでも一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。