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鵺姫真話 冒頭部分あらすじ・感想

投稿日:2019年7月1日 更新日:

夕暮れ
鵺姫真話 ソノラマ文庫

作:岩本隆雄
出版社:朝日ソノラマ

プロジェクト。
そう呼ばれる宇宙計画の第一歩である人工島から、一人の少女が飛行機に乗り日本に帰国します。
川崎純、十六歳の高校二年生。

彼女は視力の低下により、パイロットへの道を絶たれた純は、失意の中、実家のある高牧市で高校生活を送っていました。

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冒頭部分 あらすじ

帰国から三か月、純は普通の高校生としての生活を送っていた。
彼女は実家の川崎家は代々神主を務めており、現在は祖父が務めている。
その祖父が神主をしている姫森神社には、こんな話がある。

この神社ある御神体は大磐で、その磐の穴から伸びた楠が御神木なのだが、その楠に祀られている姫様の本名を唱えお願いすると、その願いが叶うのだという。
ただし、願いと引き換えに寿命を25年奪われるという条件があるのだが…。

神となった姫様。
彼女は戦国時代初期、この地方を収めていた高牧家の娘で、人を喰いその怪力は軍勢を一人で押し返す程だったという。

しかし、領民を喰ったことで裏切られ、磐の上で首を刎ねられ死んだが、復活し首から蝙蝠の羽根を生やし、炎を吐いて裏切った者を祟り殺すと口にした。

その姫も、首を斬った牛頭三郎に真っ二つにされたのだが、祟りを恐れた人々に、怒りを鎮めるため神としてまつられたらしい。

それが姫森神社のルーツなのだが、その神社の奉納試合で、画家の外山大にこっぴどく負ける。

本来負けん気の強い純は、全力で挑むが外山は純の竹刀を弾き飛ばし、強烈な一撃を純に浴びせた。

外山の腕なら、竹刀が飛ばされた事で、純が戦う意思を無くした事を察してもいいはずだ。
しかし、彼は容赦なく純を打った。

純の中に、彼に対する敵愾心が湧いてくる。
その外山に、祖父が秘伝の奥義を伝授しようとしているのではと思った純は、神域に急いだ。

川崎流の奥義「姫守」は神域で伝授される。
いくら腕が良くても、外山の様に竹刀を持たず、戦意を失った者を容赦なく打つような男に、奥義を伝えて欲しくは無かった。

隠し扉から神域に入った純は、そこで一人の少年と出会う。
彼は必至で逃げていた。

追っているの青く光る直径が一メートル半はある生首だった。
首は真ん丸な目は青く、本来耳のある場所から蝙蝠の翼が生えていた。

「姫様…」

純は思わずそう呟いた。

感想

主人公の純は当初、自身に劣等感を抱いています。

プロジェクト(宇宙コロニー建設が最終目標)は本来試験が必要なのに、自分は発起人と昔からの知り合いというだけで潜り込んでいる。
パイロット候補からは外され、やっている事といえば、プロジェクト間の連絡係。

自信を失っていた純は、姫様の力により過去に飛ばされます。
最終的に辿り着くのは戦国の世でした。
非現実的な出来事で、純は少しずつ自分らしさを取り戻してゆきます。

ソノラマ文庫で三部作の二作目として書かれた物ですが、このお話だけでも独立して楽しめる物となっています。

純の能力が高すぎて、少しチート感を感じてしまいます。
まあ彼女の正体を知れば、それもしょうがないかなとも思いますが。

 

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まとめ

このお話は、ソノラマ文庫から刊行された星虫シリーズの第二作目に当たります。

物語はシリーズの中で語られる、進化計画。
そのプロジェクトの起爆剤となった、外宇宙から来た宇宙船にまつわるお話、イーシャの舟へ続いてゆきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのKerstin Riemerによる画像です。
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