ゴブリンスレイヤー TRPGリプレイ 死と罠の街ランサペール
著:川人忠明とグループSNE
原作:蝸牛くも
監修:安田均
画:神無月のぼる/電氣ブラン
出版社: SBクリエイティブ GA文庫
小説ゴブリンスレイヤーの世界、四方世界を舞台としたテーブルトークRPG 「ゴブリンスレイヤーTRPG」のリプレイ集です。
この作品では原作者の蝸牛くもさんもプレイヤーとして参加されています。(どのプレイヤーかは明記されていません。)
※リプレイとは実際にゲームを遊んだ様子を書き起こした物。 TRPGはGM(ゲームマスター)の裁量による部分も大きいので、公式リプレイ集はこう遊んで欲しいという指針的な意味も兼ねていると思います。
キャラクター紹介、あらすじ・感想など
プレイヤーキャラクター・冒険の舞台
キュウ:武闘家/斥候/竜司祭
蜥蜴人(リザードマン)の長傘使い
イメージはカンフー映画に出て来る老師
引退後、物見遊山の旅に出た。
中盤以降に大変な目に遭うというフラグを見事に回収した。
長春花(ちょうしゅんか):戦士/魔術師
刀を操る圃人(レーア)の少女
イメージはウィザードリィの侍
父の仇の鉱人の戦士を探している。
圃人だが敵を真っ二つに出来る技量の持ち主。
レガート・インプロヴィザンツィオーネ:野伏/精霊使い
森人(エルフ)の投矢銃使い
ホストクラブ経営を目指すチャラ男
銃にお金を使いすぎ防具は装備していない。
当たらなければどうという事は無いというスタイル。
ヴェルヴェデール:武闘家/神官(交易神)
只人(ヒューム)の鞭使いの女性
孤児で、育った教会が「アンデッド絶対殺すマン」だった為、自身もヴァンパイアハンターを目指している。
歯ぎしりしながら「エイメェェェン」とか言いそう。
舞台:ランサペール
いわゆる盗賊都市
マフィア、教会、圃人の組織他、様々な組織が鎬を削っている。
ちなみにプレイヤーたちが所属する冒険者ギルドは参入して日が浅い為、立場はまだ弱い模様。
第1話 とある少女の冴えたやり方
シナリオ あらすじ
乗り合い馬車でランサペールに向かうなか馬車は襲撃を受ける。
偶々乗り合わせた冒険者たちは襲撃者を撃退。
乗客たちに感謝されつつ冒険者たちは冒険者ギルドへ向かい、ならず者の討伐を報告した彼らは、ギルドに登録をすませそれぞれ街に散らばった。
キュウとレガートは宿に、春花は圃人界に、ヴェルヴェデールは神殿にそれぞれ向かう。
翌朝、ギルドに集まった一行は互いの懐具合も鑑みパーティを組む事にした。
早速受けた依頼は希少な茸を採取する為、小島に渡り消息が途絶えた少女の捜索だった。
感想
初めてのセッションという事でプレイヤーたちも探りながらプレイしていたのか随分長時間プレイになってしまったようです。
作中GMが時間短縮の為、いくつか用意したギミックを飛ばしたようですがそちらのルートも見てみたいと感じました。
第2話 暗き者は海の底から
シナリオ あらすじ
前回の依頼、少女の捜索、ひいては馬車で撃退した盗賊達の組織「赤黒い骨」にも関係するマフィア「黒大老(チャイニーズマフィア風)」の依頼が次の冒険者たちへの仕事だった。
黒大老の表看板「カムデン商会」のジンから依頼を受けた冒険者たちは交易神殿との関係性も考慮しながら、前回、事件の引き金となった海底神殿の調査にのりだした。
感想
今回登場する鰓人は元となったゴブリンスレイヤー本編では海ゴブリンと呼ばれていた種族です。
所謂、マーメイドでは無く魚人といったイメージでしょうか。
また依頼はカムデン商会のみならず交易神殿からの物もこなす形でシナリオは進んでいきます。
黒大老、交易神殿、どちらの依頼もむげには出来ずプレイヤーとしては悩む所でしょう。
第3話 闇の定め、定めは死
シナリオ あらすじ
二回の冒険を終え少しずつまとまって来た一党。
だが前回の仕事で死にかけたキュウの体には異変が起こっていた。
そんな状態での彼らの三回目の冒険は神殿からの依頼。
ある親子の救出だった。
親子は冒険者たちも知っている乗り合い馬車で一緒だった母と娘の二人。
それと並行して黒大老からも裏切り者の幹部の抹殺を依頼される。
二つの依頼は根っこの部分で通じていた。
感想
最後のシナリオでは春花の旅の目的である鉱人の戦士。
それにヴァンパイアハンターの武器である聖鞭(ヴァンパイアキラー)。
さらに冒頭から続く事件の黒幕が登場します。
RPGは序盤の武器防具が足りない所から徐々に充実していく過程が好きで、装備が整う後半よりも駆け出しの時が一番楽しいような気がします。
まとめ
ゲームの名前はゴブリンスレイヤーTRPGですが今回の冒険にゴブリンは登場しません。
このゲームの特徴として敵のボスが部下の支援を受けると強化されるというルールがあります。
駆け出しでは物語本編のような大規模な群れの討伐はかなり難しいでしょう。
更にゴブリンスレイヤーTRPGというだけあってゴブリンたちも一般的なファンタジーに登場する雑魚から、オーガなどと比肩する強さを持つ者まで数多くの種類が用意されています。
強力なゴブリンが徒党を率いればオーガよりも強力になるようゲームは設定されています。
リプレイ的な面白さとしてプレイヤーの知識の中から過去のTRPG作品、映画、小説、漫画、アニメなどのお話が出て来るのが楽しいです。
またGMがカッコいいから採用とかコンピューターゲームにはない柔軟さがTRPGの魅力だと感じます。
ルールに則って遊ぶことは確かに大事ですが、あまり厳格になり過ぎてもプレイヤーもGMも楽しめないモノになってしまう気がします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。