ゴールデンゴールド 5 モーニングKC
作:堀尾省太
出版社:講談社
フクの見えるフクの無い男、草田を始め投資家のニシ、銀行等、寧島の景気にあやかろうと島には外の人間が入ってきました。
あらすじ
フクノカミの力が拡大を続ける中、町子は黒蓮から以前作ってもらった焼うどん作り方を聞かれる。
黒蓮にとっては琉花が寺社に入った影響を見る為だったが、以前との違いを見るには余りよい方法では無かったと少し悔やむ。
しかし、町子はその得意だった筈の料理手順を、かなりの部分忘れていた。
黒蓮は出来上がったうどんが、以前と違い美味しくないと感じた。町子自身もその事に気付き、作り方や隠し味について忘れていたと口にする。
その後、町子はどうでもいいと言いながら、一人台所を漁り焼うどんのレシピを思い出そうとする。
その行為は琉花がまだ幼かった頃の思い出を呼び起こした。
開いた冷蔵庫の前で目に涙をためる町子。
そんな彼女に一本の電話が入る。
電話は仕事についてで、相手と話す町子の目からは既に涙は消えていた。
感想
フクノカミの力は、人の優しく暖かい思い出を忘れさせるのでしょうか。
町子は焼うどんの事を忘れ、幼い頃の記憶をフクノカミによって喚起させられます。
彼女の子供のころは、両親は店を経営し比較的豊かな暮らしを送っていました。
しかし、岩奈屋の台頭で経営は傾き、規模を縮小せざるを得なくなります。
その後、夫を失い細々と続けていた商店に琉花を預かり、そしてフクノカミと出会いました。
町子はずっと成功する事を夢みていましたが、生活や時代の変化の中でその夢を封印していたようです。
偶々であった町子がフクノカミの求めるモノを持っていたのか、それとも琉花がフクノカミを拾ったこと自体が、波長のあう町子と出会う為だったのか。
フクノカミが自身の目的を、明確に語る事が無い為、何をしたいのかが分からず、それが余計に不気味さをプラスしている様に感じます。
まとめ
公共事業の再開、それに伴う株価操作と購入。
町子は着々と島の支配者になっている様に感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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