ブルージャイアントシュプリーム 4 ビッグコミックススペシャル
作:石塚真一
出版社:小学館
ジャズプレイヤー、宮本大の軌跡を追った作品です。
大とハンナが見つけたピアニスト、ブルーノ・カミンスキー。
彼との出会いが、次の出会いをもたらします。
あらすじ
ラファエル・ボヌー、フランス人、ドラマー。
彼の信条、それは楽しむ事。
和を尊び、相手がどんなレベルであっても、それに合わせ無難に演奏し、バンドをまとめ上げる。
ラファエルはそれで納得していたし、今は何よりも多くの人とセッションをして、人脈を広げる事に尽力していた。
だから、以前セッションした時、演奏を途中で投げ出したブルーノが現れ、面白い話があると言った時も、話を聞くつもりは無かった。
しかし、電話でレコードレーベルの重役、ハインドルから彼と話す様に説得され、渋々それを受け入れた。
バーに入ると、ブルーノはゲームを持ちかけた。
「真実と挑戦」。
真実を選べば、相手の質問にウソ無く答え、挑戦を選べば相手が要求した事を実行する。
真実を選んだブルーノにラファエルは、演奏を途中でやめた理由を尋ねる。
彼はあの時組んだラファエル以外のメンバーの、プレーや態度が気に入らなかったと語った。
同じフレーズを繰り返すベース。下手な演奏を愛想笑いで隠すフロント。
ただ、演奏を止めた事で店や客、ラファエルに迷惑を掛けた事は素直に謝った。
ラファエルは挑戦を選び、ブルーノの要求、スコッチのショットをストレートで飲み干した。
ゲームは続き、真実を選んだにブルーノに、ラファエルは好きなジャズプレーヤーを尋ね、彼はセシル・テイラーと答えた。
意外な答えに少し驚く。
人のミスを許せないブルーノが、メチャクチャなプレースタイルが売りのセシル・テイラーのファンというのは予想外だ。
更に真実と挑戦は続いた。
話はブルーノがセシルのファンになった経緯、そして彼とセシルの間にある壁の話、その壁の向こうに行くため、ブルーノが戦っていることへと続いた。
ブルーノが立ち去った理由の根底は、あのプレーヤーたちが本気では無かったからだ。
だから、ラファエルと組んでも彼が手を抜くようなら、自分はまた立ち去るかもしれないと話した。
ゲームを続けようとするブルーノに、ラファエルは一回スキップして面白い話について尋ねた。
実はと切り出したブルーノは、自分もハインドルから二人のプレーヤーを紹介されたと話した。
一人はアジア人のサックス。もう一人は小柄な女性ベーシスト。
そのアジア人はブルーノに、自分と組めばヨーロッパ1のプレーヤーになれると話した。
話を聞いたラファエルは、そいつ上から目線で気に入らないとブルーノに告げた。
そして、ゲームの挑戦内容をきいたラファエルに、ブルーノはその二人とセッションする様に求めた。
感想
ブルーノは短気で頑固な自信家で完璧主義。
ラファエルは誰にでも合わせられる柔軟さを持つ快楽主義。
性格はまるで反対の二人ですが、ジャズについてはお互いに認め合っているようです。
大、ハンナ、ブルーノ、バラバラの三人をラファエルのドラムが支えまとめる。
最高の四人ですが、ラファエルは自分の主義を貫き、組む事を拒否します。
その後の大とラファエルの会話で、彼の意思を確かめた大が一度も振り返らず立ち去るシーンが、この巻ではとても好きです。
大はいつも前を、未来を見ている、それを象徴している様に感じました。
まとめ
この巻でサックス、ベース、ピアノ、ドラムの四人がそろいました。
この四人でヨーロッパを駆け巡る事になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。