ケンシロウによろしく 6 ヤンマガKC
著:ジャスミン・ギュ
出版社:講談社
復讐を誓ったヤクザ、木村(きむら)は意識不明の重体となった。
その木村を店の地下室で治療を続け、木村の覚醒を待っていた指圧師の沼倉孝一(ぬまくら こういち)。
しかし治療機材により大量の電力を消費する地下室の存在に、沼倉が地下で大麻を製造していると勘違いしたバット(中村ひろし)が、除草剤を部屋に散布したことで木村の容体は急変し……。
登場人物
神本ユア(かみもと ゆあ)
AV女優
茶髪ロングの女性。
医者になる事を求め、自分の敷いたレールを走ることを強要する父親に反発しAVの世界へ飛び込んだ。
その仕事は天職だったようだが、腰を痛め引退を考える。
医師だった父親へのトラウマから、マッサージも含めた医療行為全般に拒否反応を示す。
凶一(きょういち)
不幸第一教の教祖
フードを被った男。
全ての人が幸せになる事は不可能、ならみんな不幸になればいいという考えの男。
YouTuberとして352万人の登録者を持つ。
自分の指で全員幸せにすると豪語した沼倉に信者の一人を差し向ける。
サントス
不幸第一教第3使徒、ダークウォッチャー
黒髪そばかすの青年。
いじめられっ子だった彼は飼い猫のソラが唯一の心のよりどころだった。
そのソラが酔っ払いの父親に投げられ死んだことで、周囲のすべてが嫌になる。
その時、不幸第一教と出会い信者となった。
あらすじ
あっけなく、本当にあっけなく木村は死んだ。
復讐という人生の目標を奪った誰かに憤る沼倉に、彼の母は誰だってもういいじゃないと呟く。
母は沼倉が殺人者にならなかった事に本当に安堵し、両手で顔を覆い涙を流した。
一方で、沼倉の助手である里香(りか)は店を閉めた沼倉を心配し、彼のパトロンだった野田(のだ)の下を訪れていた。
野田は言う、復讐を原動力として生きてきた時間の中で、彼はもっと大事なものを手に入れた。
真実を知り、幸せを知る事が出来たはず。
自分を縛り付けていた感情から解放されただろう。
復讐に燃えた人生は失敗じゃない。
きっと自覚しているはずだ……。
きっと大丈夫。
野田が里香にそう語っていた頃、沼倉は木村殺害の実行犯であるバット(彼的には大麻を除草しただけ)を問い詰めていた。
30年の努力を…てめぇが一瞬で台無しにした。
そう言って鋭い視線を向ける沼倉にバットは死を覚悟した。
しかし、沼倉の口から出たのは助かったよという言葉だった。
続けて沼倉は木村への復讐に代わる原動力の提案を、バットへと求めるのだった。
感想
今回は復讐相手である木村の死から始まり、ケンシロウマッサージとしての再スタート、新装開店の最初の客、医者嫌いのAV女優、ケンシロウにお説教される沼倉、不幸第一教、信者と沼倉と猫等が描かれました。
その中でも今回は復讐相手である木村の死が印象に残りました。
沼倉は北斗神拳(指圧)によって木村を殺害することを目的に、人生をささげてきました。
でも北斗神拳だろうが指圧だろうが、直接手を下せば罪になる事は変わりません。
それに沼倉の心にも、復讐相手であっても人を殺めた記憶は残り続けるように思います。
おそらく、木村を殺していれば、沼倉はこれまで通りマッサージを続ける事は出来なかったのでは無いでしょうか。
その意味でも、彼が手を下さなくて本当によかったと思いました。
まとめ
木村が死んでしまい、新たな一歩を踏み出した沼倉。
次巻ではそんな沼倉の前に、不幸第一教の教祖、凶一が新たな刺客を送り込むようです。
不幸なのか何なのかよく分からない不幸第一教。
どんな展開になるのか読むのが楽しみです。
こちらの作品はコミックDAYSにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。